2024.06.01
- 楽しみ方
「和モダン」なテーブルコーディネートで父の日のおもてなし
ピンクや赤に彩られた母の日から一新、父の日はどこかクールでカッコいい雰囲気が似合いますよね。父の日は6月の第3日曜日、今年は6月16日です。某ギフトサイトが父の日に最も欲しいプレゼントについて、40歳~69歳のお父さんを対象にアンケートを実施したところ、堂々の1位は「お酒」でした。お酒の種類は各お父さんのお好みになると思いますが、父の日らしい結果ですよね。
とあれば、ワイン好きのお父さんもきっと多いはず。お気に入りの銘柄や好みのワインをプレゼントするのも良いですが、さらに一緒に楽しめたら・・・。お父さんも嬉しくないわけがありません。そこで今日は、お稽古事としても人気上昇中のテーブルコーディネート術で、父の日のおもてなしにトライしてみたいと思います。
■ひそかに人気のテーブルコーディネート講座
テーブルウエアと呼ばれる皿、グラス、カトラリーやさらに卓上を演出する小物類などを素敵にコーディネートする技が習得できる「テーブルコーディネート講座」がひそかに人気とか。
一般的にテーブルコーディネーターと呼ばれる方が講師になりますが、最近はテーブルだけでなく食に関する空間をトータルに演出することから「食空間プロデューサー®」と表現することもあるようです。こうしたテーブルコーディネートに関する資格を設けている団体もあり、テーブルウエアに関する催事も女性を中心にとても人気で、各地で開催されています。
※「食空間プロデューサー®」「食空間プランナー®」「食空間アドバイザー®」は
食空間プロジェクト株式会社(FSPJ.Inc)の登録商標です。
■これさえ知っておけばワンランク上のおもてなし!
センスのあるテーブルコーディネートでおもてなしができたらいいですよね。そこで、今日は、食空間プランナー®の佐々木 憲子先生に、父の日にピッタリなおもてなしテーブルコーディネート術をレクチャーいただきます。テーブルコーディネートの基本というものがあるらしいのですが、まずはそちらから。
テーブルコーティネートの基本
①テーマとコンセプトを明確にする
テーマは大きい意味での目的のことで、コンセプトはその目的を実現するための方向性や具体的な内容といったところでしょうか。今回の場合なら、「父の日のおもてなし」というテーマに対して、「和モダン」が持つ上質であり、クールでスタイリッシュなテーブルを演出するということになります。
②配色や色の配分を決める
例えば、ワインのエチケットなどを参考に使用する色を決めて、その配分を考えることです。たくさんの色を使うより、3色くらいでコーディネートするとうまくいくそうです。
③お花や小物で季節感を演出する
季節感を取り入れることで卓上がイキイキとしてきます。お花はもちろんのこと、暑い季節には小物などで涼しさを演出すると、シーズナルなテーブルコーディネートが実現できます。
こうした基本を押さえた上で、お祝いや父の日などのおもてなしの場合は、さらに次の2つのポイントを加えると、誰でもワンランク上のおもてなしができるそうです。
テーブルコーディネートおもてなしのコツ
①おもてなしの時間帯なども意識して、灯り・光と影を使って食卓を演出する
②テーブルクロスを敷いて、特別感を演出する
夜の時間帯ならキャンドルを灯してみましょう。揺らぎのある温かな光がロマンティックな雰囲気を醸し出してくれます。またテーブルクロスを敷くことで、特別感が増し、日常が一気に非日常空間に。テーブルクロスは食卓の印象を大きく変化させますので、目的に合わせて何枚か持っているとよいアイテムの1つだそうです。
そして、何より大事なことは「おもてなしの心」です。パーフェクトに実践できなくても、おもてなしをしたいという気持ちがあれば、必ずそれがどこかに表現され、伝わります。まずは、できそうなところから取り入れてみてくださいとのことでした。
■父の日は「和モダン」×「コノスルワイン」でクールに決めてみよう!
ということで、父の日をテーマに「和モダン」×「コノスルワイン」でテーブルコーディネートを実践していただきました。ワインは、父の日にふさわしい4本をセレクト。それぞれのワインで和モダンなダイニングを演出して参りましょう。
◯グリーンソサイエティ「 ピノ・ノワール」×和モダン
トップバッターは、今年3月にリリースされたグリーンソサイエティ「ピノ・ノワール」です。こちらのワインは、ラズベリーやブラックベリーの香りに、心地よい酸とソフトなタンニン、長い余韻が楽しめる赤ワインです。コノスルの数あるピノ・ノワールの中で最もクリーンなスタイルなので、1本目に赤ワインを持ってきても全く違和感はありません。今回は、軽く炙った鰹と苺を合わせた前菜、トマトの旨味と香りを2層で楽しむトマトのクーリ、ローストしたヤングコーンにミモザチーズをシュレッドした軽い前菜に合わせてみました。
軸になる器は和紙のような風合いの円形のお皿と八角形の折敷(おしき)です。さらに、カクテルグラスで涼しさも加えました。和食器にこうした洋食器をポイントで組み合わせるのも「和モダン」ならでは。また今回のコーディネートの大役を務める折敷は、古くは、植物の葉を折って食器のかわりに使っていたことに由来しています。茶事においてはマストアイテムで、この折敷の上でお茶だけでなくお食事になるような懐石もいただきます。折敷を置くことでおもてなし感がそつなく演出できます。また、オフホワイトの柔らかい印象のグリーンソサエティのエチケットとリンクするように、前菜の器の質感を合わせています。
○20バレル「シャルドネ」×和モダン
続いて、コノスルの最高級シリーズ「20バレル」から「シャルドネ」とのテーブルコーディネートです。75%をミディアムトーストのフレンチオーク新樽、25%をコンクリート製のエッグタンクにて8ヶ月熟成したシャルドネ100%のこちらのワインは、洗練度の高いクリーンな酸味と、それを包み込むように程よいボディがあり、非常にバランス良く上品な味わいです。
お料理は、ヴァン・ブランソースを合わせた帆立のソテーに、アスパラを春巻きの皮で包んで揚げ、さらに生ハムを添えた温かい前菜です。バターやクリームとの相性も良いワインですので、大きめのブルゴーニュグラスで楽しみます。そこで、器も少しボリューム感のあるタイプをチョイス。厚みと光沢のある器にすることで、グラスとのバランスをとっています。キャップシールのカラーにヒントを得て、旬の紫陽花などで卓上のカラーを揃えるとよりエレガントです。
○シングルヴィンヤード「カベルネ・ソーヴィニヨン」×和モダン
そろそろお肉が食べたいというタイミングに、ローストビーフのお寿司はいかがでしょうか。カシス、チェリーなどの鮮やかな果実香にソフトで凝縮度が高く、甘いスパイスなどの複雑なニュアンスが感じられるこちらのワインは、お肉の旨味、酸味と甘みを持つすし酢にも合います。
キャップシールと18の文字のカラーに合わせて、ナプキンをワインレッドに変えるとテーブルがより華やぎました。お寿司のような横並びの盛り付けに合う長方形のお皿でシングルヴィンヤード「カベルネ・ソーヴィニヨン」のストレートで凝縮感のあるワインを表現してみました。これまでの円形のフォルムから見た目の印象も変わり、変化が楽しめます。ここで一つ佐々木先生からアドバイス。ナプキンの折り方を動きのある形にすると、同じテーブルコーディネートでも違った雰囲気にすることができます。
○20バレル「シラー」×和モダン
そして、最後は「20バレル」のシラーと和菓子を合わせたコーディネートです。黒い漆器の大振りのお椀にリネンのナプキン、さらにアクセントとして手芸用のタッセルをナプキンリングとして代用しました。このタッセルはカラーバリエーションも多いのでいくつか持っていると重宝します。
器にサイズ感があるので、大胆にお椀の上にナプキンを置いてみましたが、もちろん折敷の上でもOK。このように同じナプキンでも折り方や置く場所、小物でも表情が変わりますので、色々試してみてくださいとのこと。和紙やクラフト盆栽を加えても和モダンなテーブルコーディネートが演出できるそうです。
さて、いかがでしたでしょうか。父の日以外でも使えそうなアイディアがたくさんありましたよね。ぜひ、おもてなし上手になって、父の日を楽しんでください。
<撮影協力>
庭園のあるサロン「ラ ポール」主宰 佐々木 憲子
食空間プランナー®、 FSPJ認定サロン テーブルコーディネート&おもてなし料理教室「ラ ポール」を2023年オープン。プロの料理人などをサロンに招き、上質な食空間を提供している。
https://www.instagram.com/rosegardennon/
この記事で紹介したワインはこちら
グリーン・ソサエティ ピノ・ノワール
グリーン・ソサエティ ピノ・ノワール
ラズベリーやブラックベリーの香りがあります。心地よい酸とソフトなタンニンが感じられる、余韻の長いワインです。
20バレル・リミテッド・エディション シャルドネ
20バレル・リミテッド・エディション シャルドネ
洗練度の高いクリーンな酸味と、それを包み込むように程よいボディがあり、非常にバランス良く上品な味わい。
シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン
シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン
エル・レクルソ葡萄園の第18区画「エル・ルクレソ El Recurso(=資源)」の葡萄を使用。カシス、チェリーなどの鮮やかな果実香。とてもソフトで凝縮度が高い。甘いスパイスやリコリスなど複雑なニュアンスが感じられる。
20バレル・リミテッド・エディション シラー
20バレル・リミテッド・エディション シラー
新樽100%で16ヶ月熟成。とてもエレガントな果実味が楽しめるフルボディ。タンニンは豊富ながらよく熟していて、バランスの取れた酸と共に全体を引き締めている。
この記事を書いた人
ソムリエ
たけうち あけみ
竹内 綾恵美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- SAKURAアワード2024 審査員
料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。