2024.08.01

  • 楽しみ方

かんたん美味!フルーツペアリング


ワイン用のブドウも色づき始める8月、さまざまな果実が熟し、これから数カ月は一年を通してもっともフルーツが出回る時期ではないでしょうか。また、香り豊かでジューシーなフルーツは私たちの体内に必要な水分やビタミン、その他の栄養素を速やかに取り込んでくれるパワーフードでもあります。そして、なんといっても色鮮やかなフルーツは見ているだけでも華やかな気分になりますよね。そんな旬のフルーツを使った簡単で美味しい、フルーツペアリングをご紹介します。

■旬のフルーツが目白押し

春先から初夏にかけては、苺やさくらんぼ、ブルーベリー、夏から秋にかけては、桃、ブドウ、メロン、梨、りんご柿など、国産フルーツだけでもかなりの種類が楽しめます。果物はそのまま食べたり、スイーツとしてアレンジされたりしたものをいただく機会が多いですが、ぜひ、料理にも積極的に使いたい食材の一つ。その理由として、いつものメニューでもフルーツを取り入れるだけで、味わいや彩に変化をつけることができます。また、出回る時期がやや限定的な果物はより旬を感じやすく、フレッシュなひと皿を演出できるからです。



■フルーツを手掛かりにワインを知る・学ぶ

フルーツを使ったお料理とワインを合わせることで、実はワインをより深く知る、学ぶことにつながるという利点もあります。
少し専門的な内容になりますが、ワインを味わう上でとても重要な要素の1つとして「香り」があります。ソムリエ試験でも出題されますが、ワインの香りを表現する項目だけで3つあります。第一アロマ:果実由来の香り、第二アロマ:醸造過程において得られる香り、第三アロマ:熟成過程において得られる香りといった具合です。



このワインの香りについて、もっともわかりやすくポピュラーなものが、第一アロマです。使用されているブドウ由来から得られる香りであり、その内容は果物などで表現されることが多いです。レモンやグレープフルーツなどの柑橘系、苺やブルーベリーなどのベリー系、桃やプラムなどの有核果実、他にもメロンやマスカット、パイナップやマンゴーなど南国フルーツ系なども登場します。



そして、ワインが持つフルーツの香りは、そのままフルーツが採れる環境を表現することにつながり、そのワインがどのような地域や気候で造られたものかを知る手がかりにもなります。



さらに、香りをヒントにどのような料理に合いそうかということも想像がしやすくなり、ワインを楽しめる幅がぐっと広がるのです。ワインを知る、学ぶ手掛かりはフルーツにあるといっても過言ではありません。

■かんたん美味!フルーツペアリング

ということで、ぜひともこれからの時期にトライして欲しいフルーツペアリングをご紹介しましょう。

まず、フルーツペアリングにおすすめしたいワインは、スパークリングワインです。スパークリングワインはワイン単体でも手軽に楽しめるのはもちろんのこと、食前酒や食中酒としても取り入れやすく、シチュエーションを選ばずに楽しめるワインです。さらにフードフレンドリーな(料理に合わせやすいワイン)でもあります。というのは、一般的なスティルワインよりも若干ですがアルコール度数が低く、爽やかな喉ごしがあらゆるお料理に合わせやすいからです。さらに程よい酸味や甘みはフルーツとの相性も良く、フルーツペアリングをするなら、スパークリングワインから始めてみるとよいでしょう。

コノスルのスパークリングワインには、 BRUT(ブリュット)とROSE(ロゼ)があります。



<スパークリング BRUT>

チリ南部、ビオビオ・ヴァレーの冷涼な気候と赤粘土質土壌に育まれたシャルドネとピノ・ノワールを使用しています。この土壌ならではのフレッシュでミネラルに溢れた味わいと、二次発酵によって生まれる酵母やハチミツなどのニュアンスを楽しむことができるワインです。



<スパークリング ROSE>

ROSEも同じく、チリ南部、ビオビオ・ヴァレー産のピノ・ノワール100%で造られています。苺やブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味、かすかな渋みがボディにふくよかさを持たせ、柔らかな果実の甘みが余韻に感じられるワインです。

このように、そのブドウ品種の持つ特性や栽培される気候風土、醸造方法などによってもワインの第一の特長となる香りが異なり、それらの表現としてフルーツを用います。こうしたワードをもとにフルーツペアリングを実践してみましょう。

・ピーチカプレーゼ



イタリア料理でお馴染みの「カプレーゼ」は、トマト、モッツアレラチーズ、バジルですが、そのトマトを桃に変えたバージョンです。味付けは、通常のカプレーゼと等しく、カットした食材に塩、こしょう、オリーブオイルだけ。桃の色合いを保つために少しレモン果汁を回しかけるとよいです。これにスパークリング BRUTを合わせてみてください。柑橘系の香りと、やわらかなはちみつのニュアンスが桃の甘みとベストマッチ。夏らしい爽やかなフルーツペアリングです。



・あんぼ柿とクリームチーズのブルスケッタ

少し季節を先に延ばしてみましょう。9月頃から旬を迎える柿ですが、これをセミドライの状態で甘さを増した「あんぽ柿」なるものをご存知でしょうか。コクのある甘さとねっとりとした「あんぽ柿」の食感はクリームチーズとの相性は抜群。これにブラックペッパーや砕いたナッツなどをトッピングして、味わいにコントラストをつけるとさらに美味です。前菜や軽いお食事として提供するとよいでしょう。



また桃や梨などのコンポート(フレッシュなフルーツでもOK)とカッテージチーズ、生ハムに蜂蜜を添えたものを薄切りにしたバゲットにのせるなども良いでしょう。生ハムの塩気とフルーツの甘さ、チーズやはちみつのコクなどが相まって、どんどんワインが進みます。
こちらには、スパークリングROSEを合わせてみました。

・フルーツシャーベット&ワインで簡単デザートワインカクテル



ちょっと遊び心を持ったペアリングとして、お好みのフルーツシャーベットとフレッシュなフルーツにスパークリングワインを注ぐだけのワインカクテルはいかがでしょうか。
旬のフルーツや果汁100%のジュースを凍らせて、シャーベットを手作りすれば、組み合わせは無限大。スパークリングBRUTには、マンゴー味のシャーベットとシャインマスカットを合わせてみました。少しずつシャーベットが溶けていくと味わいが変化していくのも面白いです。



スパークリングROSEなら、ベリー系のフルーツが合いますので、冷凍したブルーベリーやフランボワーズとグレープ味のシャーベットなどにワインを注ぎます。すると、さきほどとはまた違った味わいが楽しめます。
このようにフルーツとワインを合わせると、簡単でおしゃれなワインペアリングが誰でも実践できます。ぜひ、お試しください。



この記事で紹介したワインはこちら

スパークリング・ブリュット
スパークリング・ブリュット

スパークリング・ブリュット
チリ南部、ビオビオ・ヴァレーの冷涼な気候と赤粘土質土壌に育まれた葡萄を厳選。製法はシャルマ方式。テロワール由来のフレッシュでミネラルに溢れた味わいと、二次発酵によって生まれる酵母やハチミツなどのニュアンスを楽しむことが出来る。

スパークリング・ロゼ
スパークリング・ロゼ

スパークリング・ロゼ
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産の葡萄を厳選して使用。シャルマ方式。イチゴやブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味が感じられ、微かに感じられる心地よい渋みがボディにふくよかさを与えている。余韻にも柔らかな果実の甘みが残る。

この記事を書いた人

竹内 綾恵美

ソムリエ

たけうち あけみ

竹内 綾恵美

  • (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
  • SAKURAアワード2024 審査員

料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。