2024.11.08
- 楽しみ方
はちみつとワインでタイパ最強セルフケア
2024年も残すところ、あと2ヶ月を切りました。
今年は長い酷暑と急激な気温の変化で体調を崩している方も多いのではないでしょうか。
さらに、これから冬にかけて空気が乾燥し、風邪をひきやすい時期。とはいえ、年末にかけてイベントも多く、ゆっくり休養をとることもなかなか難しいですよね。何かと忙しい現代人にとって時間をかけずにしっかりセルフケアできるとなれば嬉しい限り。
そんな願いを叶えてくれるマストアイテム「はちみつとワイン」を上手に取り入れ、繁忙期を乗り切るヒントをお伝えします。
■知られざるはちみつパワー
黄金色に輝くねっとりとしたあま~い液体といえば、そう、はちみつです。
みなさんのご家庭にはちみつはありますでしょうか。はちみつの主な作用は体力回復、咳止め、便通改善、解毒などがあります。
一般的に、食べ物に含まれる糖分はブドウ糖などに分解されて体内に吸収されますが、はちみつの糖分はそもそも果糖とブドウ糖であり、消化する手間や負担をかけずに、ダイレクトにエネルギーとして吸収されます。
このおかげで素早く体力回復などの効果を発揮するというわけです。
さらに、はちみつにはビタミン、ミネラル、アミノ酸、酵素、ポリフェノールなどの成分が含まれており、消化吸収力を高め、胃痛や腹痛を緩和する作用があり、食欲不振や疲れがある時におすすめなんだとか。いいこと尽くめのはちみつを活用しない手はないですよね。
■はちみつとワインの相性を探る
はちみつ同様に昔から「百薬の長」としてアルコールも適切に摂取すればとても身体に良いことはもうご存知ですよね。
特にワインはアントシアニンやタンニン、カテキン、レスベラトロールなど何種類ものポリフェノールが含まれ、抗酸化作用が高く、活性酸素の働きなどを抑制するため、動脈硬化の抑制、アンチエイジング効果も期待できると言われています。
また白ワインは有機酸が多く高い殺菌作用があり、赤ワインはピロリ菌の繁殖を抑えるなど、胃腸を守る効果が高いそうです。
このようにワインもはちみつも身体に良いだけでなく、この2つはとても相性が良いのです。
ワインとはちみつを一緒に摂取することで、それぞれの効能が期待できるだけでなく、食べ物を美味しく、そしてワインの楽しみ方も広がるなんて、嬉しいシナジーがいっぱい。
またひとえにはちみつといっても様々な種類があります。
大きく分けて、複数の花を蜜源とする「百花蜜」と単一の蜜源から採取される「単花蜜」があります。これらの蜜源の種類によって、色、香り、味わいが異なるとのこと。まるでワインのようですよね。
そこで、今回は、国産はちみつの専門店を営む松本養蜂総本場の松本オーナーご夫妻に、コノスルワインとそれぞれのはちみつの相性を探っていただきました。
実は松本ご夫妻はイタリア在住歴が長く、ワインも大・大・大好きとのこと。
ヨーロッパでは、ワインもはちみつも食卓にのぼることは日常的であり、取り入れ方もたくさんご存知の様子。よって、今回のご依頼も快く引き受けてくださいました。
■はちみつとワインでタイパ最強セルフケア
体調が芳しくない時でも誰にでもできるよう、カットした野菜や果物、ナッツやチーズにはちみつをトッピングしたものなどにワインを合わせるだけのタイパ(=タイムパフォーマンス)最強のセルフケアをご提案いただきました。
ワインは、コノスルの「オーガニックシリーズ」と「グリーンソサエティシリーズ」から赤白2本ずつ、計4本をセレクトしました。
はりえんじゅ×グリーンソサエティ・シャルドネ
まずは、はちみつとしてポピュラーな「はりえんじゅ(ニセアカシア)」とグリーンソサエティ・シャルドネの組み合わせです。
「はりえんじゅ」はもっともクセがなく、ピュアでやさしいその味わいはどんなお料理でも合わせやすいはちみつです。
軽くマリネしたトマト(フレッシュなトマトでも可)にはちみつをかけて召し上がってみてください。
トマトの酸味がマイルドになり美味。これに10%をフレンチオーク樽、90%をステンレスタンクで6ヶ月以上熟成したグリーンソサエティ・シャルドネを合わせていただきました。
ワインの瑞々しくフレッシュな酸味がリンクし、口中がやわらかい酸味とふくよかな味わいで包まれます。これならあまり食欲がないという時でもすんなり身体に入っていく感じがします。
有機きはだ×オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン
「きはだ」は高さ15mに及ぶミカン科の高木で樹皮は苦味成分があり、漢方では胃腸薬のオオバクの原料としても用いられています。蜜は鮮やかなレモンイエローで柑橘系の香りが特徴的です。
こちらには、オーガニック・ソーヴィニヨン・ブランがベストマッチ。
ライムやグレープフルーツなどの柑橘系果実の爽やかな香りが特徴的なオーガニック・ソーヴィニヨン・ブランが類似したニュアンスを持っているので合わないわけがありません。
はちみつをティースプーンに1/3程度をとって、少し口に含みながら、ワインをいただいてみましょう。爽快ですっきりとした気分になれます。
きはだのはちみつには青々しいニュアンスがあるので、オリーブオイルとの相性も良いそう。
オリーブオイルときはだのはちみつを1:1で混ぜてトーストしたパンに塗っても美味しいとのことでした。
休日のブランチにオーガニック・ソーヴィニヨン・ブランを添えて楽しみたいですね。
山桜×グリーンソサエティ・ピノ・ノワール
続いて、赤ワインはどうでしょうか。
山桜のはちみつとグリーンソサエティ・ピノ・ノワールをご提案いただきました。山桜は単花蜜の中でも香りも甘みも強く、しっかりとした酸のあるグリーンソサエティ・ピノ・ノワールと好相性。
グリーンソサエティ・ピノ・ノワールの熟したイチゴやチェリーの華やかな香りが山桜のはちみつとやはりリンクしています。
また山桜のはちみつに軽く漬け込んだナッツとリコッタチーズを合わせると、グリーンソサエティ・ピノ・ノワールのエレガントなタンニンが旨味に変化し、ついついワインが進みます。
桜系のはちみつは昔から咳止めとして使われてきたそうで、喉の不調がある方にはこのペアリングはうってつけですね。
有機レーズン×オーガニック・グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン
山地の渓流沿いの斜面に自生する落葉広葉樹の高木、「ケンポナシ」の花を蜜源とする「有機レーズン」とオーガニック・グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンのペアリングをお勧めいただきました。
「レーズン」と名付けたのはケンポナシの実が枝つきの干し葡萄に姿が似ていることにちなんでいます。
こちらにはフレッシュな無花果やドライフルーツと「有機レーズン」のはちみつを一緒にいただくと、しっかりとしたオーガニック・グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンの味わいがより一層深みを増し、エレガントでシルキーな味わいがスーッと身体の隅々まで届くイメージです。
有機レーズンのはちみつにはチョコレートのような微発酵味も感じられるため、オーガニック・グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨンの凝縮感のある味わいやスパイシーなニュアンスも引き出され、美味。複雑さがありつつも重すぎない美味しさが楽しめます。
はちみつは酵素分解する働きも助けてくれるとか。これならお酒を飲む機会が増える季節にも強い味方になってくれそうです。
コノスルワインとはちみつでセルフケアをしながら、今年も残り2ヶ月を乗り切りましょう。
<取材・撮影協力>
有限会社松本養蜂総本場 Boutique del miele /b Kitchen
昭和16年創業。福島県会津地方を主な蜜源として養蜂を行う。2006年には、「JONA(日本オーガニック&ナチュラルフーズ協会)」から、国産で初めての「有機はちみつ」としての認証を取得。また本店ショップに併設するカフェ・レストラン「b Kitchen」では、季節に合わせたはちみつのテイスティングプレートやセルフケアドリンク、旬の地場食材を使ったお料理が楽しめる。ご紹介のはちみつはオンラインショップから購入可。
https://www.buna-ki.co.jp/
この記事で紹介したワインはこちら
グリーンソサエティ・シャルドネ
グリーンソサエティ・シャルドネ
柑橘系果実の香りにオレンジの花やパイナップルのニュアンスがある、心地よい酸が感じられるワインです。
オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン
オーガニック・ソーヴィニヨン・ブラン
エコサート認定の有機栽培葡萄を使用。樽熟成無し。ライムやグレープフルーツなどの柑橘系果実の爽やかな香り。白い花や白桃のニュアンス。キリッとした酸味が感じられ、瑞々しい果実の凝縮された味わいと豊かなミネラル分を感じる。
グリーンソサエティ・ピノ・ノワール
グリーンソサエティ・ピノ・ノワール
ラズベリーやブラックベリーの香りがあります。心地よい酸とソフトなタンニンが感じられる、余韻の長いワインです。
オーガニック・グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン
オーガニック・グランレゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン
エコサート認定の有機栽培葡萄を使用。樽で14ヶ月、ステンレスタンクで1ヶ月熟成。コノスルが本拠地を構えるコルチャグア・ヴァレーのサンタ・エリサ葡萄園で丹念に育てた有機栽培葡萄の中から最高品質のもののみを厳選し、葡萄本来の味わいを最大限に引き出したオーガニックワイン。プラム、クランベリーやストロベリーのチャーミングな香り。柔らかなタンニンのエレガントでシルキーな味わい。
この記事を書いた人
ソムリエ
たけうち あけみ
竹内 綾恵美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- SAKURAアワード2024 審査員
料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。