2020.01.31
- 楽しみ方
バレンタインに楽しむコノスルワイン×チョコレートのペアリング
街はバレンタインシーズン真っ盛り。チョコレート売り場にキラキラと輝くようにディスプレイされた小さな小箱は、いかにも大切な贈り物といった感じで見ているだけでもワクワクしますよね。
女性同士でチョコレートを贈り合う“友チョコ”も当たり前になりつつあり、男女問わずチョコレートをいただくことが多いこの時期。今年はちょっと目先を変えてワインをペアリングして、「大人のバレンタイン」を楽しんでみようと思います。
今回選んだのは、デパートには必ず置いてある高級チョコレート2種。いったいどんなワインが合うのでしょうか。
フランボワーズチョコレートに合うコノスルワイン
やはりバレンタインといえば、ハート型のチョコですよね。ハート型ばかり5種類入ったアソートを買ってしまいました。5つの味のうち3つはフルーツフレーバー。男性というより女性好みのチョコかもしれません。中でも一段と目を引くのはやっぱり赤いハート。チョコの中身はフランボワーズ。気分がアガるこのチョコには、気分がアガる「泡」を。ということで、「コノスル スパークリングロゼ」を合わせてみました。
「コノスル スパークリングロゼ」はラベルもピンクでこのままバレンタインギフトとしてもぴったりですね。
まずは一口含んでみましょう。細かい泡とサーモンピンクに近い軽やかな色合いがなんとも上品。トロピカルで華やかな香りがすっと立ち込め、きれいな酸とリンゴのような清涼感と優しい甘みがスルスルっとのどを通っていきます。余韻は長めで、かすかな旨味さえ感じられます。
もう、これだけで十分に美味しいのですが、今回はバレンタインならではのワインの楽しみ方がテーマ。フランボワーズ(=木苺)の甘酸っぱい香りが口いっぱいに広がります。そして、スパークリングロゼをゴクリ。
さっきまで口の中にあったフランボワーズの可憐さが、一瞬でトロピカルフルーツに早変わり。木苺の甘みが少し爽やかに変化し、果実の香りがより華やかに感じられます。
スパークリングワインそのものがフルーツとの相性がいいのはご承知の通りですが、さらにロゼであることでその幅が広がります。
次に、パッションフルーツフレーバーを口元へ運びます。ローズとパッションフルーツのフレーバーチョコレートですが、香りはほぼローズ。ローズとロゼ、相性はバッチリのはず。
結論から先に言ってしまうと、やはりこのパッションフルーツと「コノスル スパークリングロゼ」の相性がベストでした。ローズの香りが一層際立ち、よりエレガントさを与えているように感じます。スパークリングロゼの真骨頂ここにあり、というのは少し言い過ぎでしょうか。
次は柚子フレーバーに行ってみましょう。柚子は和の食材ですが、スパークリングロゼと合わせた瞬間、グレープフルーツのような、そしてライムのようなテイストに変わるから面白いですね。チョコレートも食べ進めていけば口の中で甘さが徐々に重なっていくところですが、ワインを合わせることでそれが一旦リセットされ、さらに、チョコレートの持つフレーバーをふくらませ、「こんなにチョコレートって美味しかったかしら?」とさえ思わせてくれます。
王道系のチョコレートに合うコノスルワイン
次は「王道」に行ってみましょう。代表的な高級チョコのアソートのワインペアリングに挑戦です。王道、つまりカカオをしっかり効かせたビターテイストやナッツと合わせたオーソドックスなスタイル。パッケージもゴールドを使っていて高級感漂います。女子ならこれを「本チョコ」に選ぶ人も多いでしょう。
このチョコレートなら、やはりワインもクオリティの高い王道系の赤ワインを選びたいところ。そこで、品種の個性を最大限に生かしている「コノスル シングルヴィンヤードシリーズ」からセレクト。その中でも人気の2大品種を試してみましょう。
まずはピノ・ノワールから。コノスルはピノ・ノワールの世界最大生産者、つまりピノ・ノワールが大得意なワインメーカーなのです。今回選んだ「コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワール」のヴィンテージは2017年。抜栓したてでもピノ・ノワールらしい正統派でチャーミングな香りが漂います。
味わいは、もうすでにビターなチョコレートを匂わす、きめ細かいタンニンと軽やかな酸、そして果実味のバランスが素晴らしいです。できれば、軽くデキャンタージュしてから召し上がっていただくのがおすすめです。
こんな正統派のピノ・ノワールには、どストライクなチョコが合う。ということで、カカオ分50%のほろ苦い甘さのダークチョコレートを試してみました。ピノ・ノワールの果実味がカカオを引き立て、より香り豊かに。「同調のペアリング」といいますが、どこか似た香りを持ち、それぞれが引き立て合う、まさに「チョコレートをつまみにワインを楽しむ」ことができるペアリングです。
そしてもう1本は、「コノスル シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョン」です。カベルネ・ソーヴィニョンといえば一般的に深い色調で豊かな香りと渋みを持ち、凝縮感のある力強い味わいです。ところが、コノスル シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョンは、色合いや凝縮感、そしてカベルネ・ソーヴィニョンらしいパワフルさはそのままに、上質なタンニンが印象的です。それなのに口当たりは重すぎず、なめらかで後味はすっきりなのです。
この「コノスル シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョン」には、おそらくナッツ入りのチョコレートが合うはず。そこで、ヘーゼルナッツをホワイトチョコレートでコーティングしたチョコにトライしてみました。こってりヘビー系のナッツ&チョコレートをカベルネ・ソーヴィニョンがすっきり抑えて、大人ビターな表情に。これなら甘いものがちょっと苦手、という辛党の男性でも大満足していただけるはず。
定番のキャラメルフレーバーのチョコレートも試してみました。キャラメルの甘みが、いぶしたようなコーヒーテイストに変わるのがまた面白いです。そしてパッションフルーツフレーバー。今度はカベルネ・ソーヴィニョンのスモーキーさが顔を出し、バタースカッチのようなミルキーさも現れました。
こうして1粒1粒とワインを楽しんでいると、あっという間に次のボトルに手が伸びてしまいそうです。危ない、危ない。
「チョコレートとワインは合うのよ」
そんな言葉を何度となく聞きます。どうやらそれは本当のようです。
今年のバレンタインはぜひ、「コノスルワイン×チョコレート」で大人のバレンタインを楽しんでみてはいかがでしょうか。
この記事で紹介したワインはこちら
スパークリング ロゼ
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産の葡萄(ピノ・ノワール)を厳選して使用。シャルマ方式。イチゴやブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味が感じられ、微かに感じられる心地よい渋みがボディにふくよかさを与えている。余韻にも柔らかな果実の甘みが残る。
シングルヴィンヤード ピノ・ノワール
カンポ・リンド葡萄園の第21区画「ヴィエント・マル Viento Mar(=海風)」の葡萄を使用。色合いは明るめで、鮮やかな赤い果実の香り。チェリー、ブラックチェリーなどのジューシーな果実香。程よい酸味が楽しめるエレガントなスタイル。
シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン
エル・レクルソ葡萄園の第18区画「エル・ルクレソ El Recurso(=資源)」の葡萄を使用。カシス、チェリーなどの鮮やかな果実香。とてもソフトで凝縮度が高い。甘いスパイスやリコリスなど複雑なニュアンスが感じられる。
この記事を書いた人
たけうち あけみ
竹内 綾恵美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- SAKURAアワード2024 審査員
料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。