2024.10.09

  • 楽しみ方

オクトーバーフェストワインはいかが? 〜パワフル&リッチなシラーで秋を彩る〜


やっと気温が下がりはじめた今日この頃。10月は気候的にも過ごしやすく、実りの秋ということもあり、収穫際など様々なイベントがあちこちで開催されています。その中の一つ、「オクトーバーフェスト」という言葉を耳にしたことがあるかと思います。ドイツ・ミュンヘンで1810年から開催されている、世界最大規模のビールの祭典のことですが、この時期、美味しいのはビールばかりではありませんよね。最近は「オクトーバーフェスト○○」といってビール以外のアルコールを楽しむ傾向もあるとか。
そこで今回は、パワフル&リッチなワインの代名詞ともいえるコノスルのシラー種のワインを飲み比べしながら、秋にふさわしい赤ワインの楽しみ方をご紹介します。

■オクトーバーフェストとは



昨今、秋のイベントとして日本でも広がりを見せているフェスの一つ「オクトーバーフェスト」とはどんなものでしょうか。その歴史を紐解くと、起源は1810年に遡ります。この年の10月にドイツ、バイエルン王国(現在のバイエルン州)のルードヴィヒ皇太子とテレーゼ王女の結婚式が行われ、そのお祝いがきっかけといわれています。城壁前の緑地では大規模な競馬が行われ、のちにこの緑地は「テレーゼの緑地」と呼ばれるようになりました。



催しものとして、オクトーバーフェスト初日には、ビヤ樽を積んだ地元ブルワリーの馬車が続くパレードがあります。正午にミュンヘン市長が最初のビヤ樽の栓を開け「酒が出たよ!」と宣言することで正式にオクトーバーフェストがスタート。この時振る舞われるビールは、3月に製造して夏の間寝かせておくため味が濃く、アルコール分の高いオクトーバーフェスト用の特別なビール。お祭りの2日目には伝統的民族衣装を着てミュンヘンの中心街を練り歩きます。また、客は飲むだけでなく、ソーセージや鶏肉の丸焼き、バイエルン名物の雄牛のしっぽなどボリュームのある伝統食を食べるのが習わしとか。



日本では2003年頃から広まり、食欲の秋、実りの秋にピッタリなお酒のお祭りということで、各地で開催されるようになりました。さらに、このオクトーバーフェストにちなみ、ビール以外のアルコールを楽しむ「オクトーバー○○」といったお祭りへと発展しているようです。

■シラーという品種について



フランスのローヌ地方が原産のシラーは、小粒で果皮は厚く青みがかった濃い紫色をした赤ワイン用のブドウです。ブルーベリーやプラム、スミレの花や黒コショウ、なめした皮のような香りがあります。ボディがしっかりとしていて、豊富なタンニンを持ち長期熟成も可能。病害に強く、適応能力が高い品種のため世界各国で栽培されています。栽培する地域によって、スパイスの香りが強くエレガントな味わいになることもあります。近年は、ニューワールドを中心に栽培面積が増加中の人気品種です。特にオーストラリアでは「シラーズ」と呼ばれ、高い人気を誇ります。



コノスルでは、このシラー種を主体とするワインは3シリーズで展開しています。「コノスル シラー ビシクレタ・レゼルバ」「シングルヴィンヤード シラー」「20バレル・リミテッド・エディション シラー」です。この他、シラーがメインではないものの、各ワインのスタイルや目指す味わいに合わせたブレンドワインにも多く使用されています。

<関連記事>
▽【ブドウ品種に詳しくなろう!】Vol.7「黒コショウの香りの力強い赤」シラー
https://conosur-lovers.jp/article/entry-261.html
▽【チャリンコ通信】Vol.2 20バレル・シラーはエルミタージュを超えたか!? (後編)
https://conosur-lovers.jp/article/entry-253.html

■パワフル&リッチなシラーで秋を彩る

そこで今回は、オクトーバーフェストさながらに、ボリューム感のあるお料理と合わせてコノスルのシラー3種類を飲みくらべしてみたいと思います。

コノスル シラー ビシクレタ・レゼルバ



まずは、コノスル シラー ビシクレタ・レゼルバから参りましょう。こちらのワインはイチゴやイチジクのジャムのような煮詰めた赤い果実の濃厚な香りとシラー独特のスパイシーさがあり、豊富なタンニンと質感あふれる口当たりが特長です。アルコール度数は13.5%でややスリムな印象ですが、キュッと引き締まった酸味が小気味良いワインです。この3本の中では比較的、カジュアルなスタイルですが、グラスの淵をみるとしっかりとワインの滴の跡が見られ、パワフルさを感じます。



コノスル シラー ビシクレタ・レゼルバにはオクトーバーフェストらしく王道のソーセージを合わせてみました。



ソーセージは脂質も多く、燻製していることから味は濃い目。そこにコノスルシラービシクレタ・レゼルバを合わせてみると、このワインが持つ酸が脂切れを良くし、ソーセージの風味を良くしながら、食べ進めることができます。ボリューム感のあるフランクフルトなどをBBQで焼いて食べるなんてシーンにうってつけ。スクリューキャップでアウトドアでも重宝しそうです。

シングル ヴィンヤード シラー



2本目は、シングル ヴィンヤード シラーです。色合いは鮮やかな濃いルビーレッドで、ラズベリーやアメリカンチェリー、スミレの花のような凝縮された果実の香りとスパイスのニュアンスが感じられ、酸もタンニンも緻密でまろやか。エレガントなスタイルのシラーです。パワフル&リッチ系のワインでありながらもこのエレガントさが魅力的で、コノスルワインの中でも大好きな1本です。



そこで、こちらにはシンプルにリエットを合わせてみました。もちろん、もっとパワフルなお料理もバッチリ合うのですが、香りの広がりも素晴らしく、スーッと舌に溶け込むような滑らかなテクスチャーも味わっていただきたいので、ワインそのものをストレートに楽しむペアリングにしてみました。しっかり系のフードであれば、ラムチョップ、牛ヒレ肉のステーキなどやや脂質が少なめの赤身肉がおススメです。



20バレル・リミテッド・エディション シラー

3本目は 「20バレル・リミテッド・エディション シラー」です。コノスルの最高級シリーズである20バレル・リミテッド・エディションは、厳選した20樽のみが限定生産されたことに由来します。土壌と気候に恵まれた特別な畑で葡萄を育て上げ、収穫量を制限し、よりクオリティの高い仕上がりとなっています。



こちらのワインには少し甘さやコクのあるお料理が似合いそうです。というのも、新樽100%で16ヶ月熟成しているため、3本の中ではアルコール度数14.5%とボリューム感があり芳醇でスモーキー。酸味もタンニンもしっかり感じられますが、熟成された旨味となっており、余韻も長いです。まさにパワフルさとエレガントさを兼ね備えたスペシャルなワインです。



お料理は、スペアリブや豚の角煮などはいかがでしょうか。甘くコクのある濃いタレがボリューム感のある20バレル・リミテッド・エディション シラーと溶け合い、お料理もワインも美味しさの相乗効果大です。グレービーソースが効いたサーロインステーキもよさそう。また、ナッツや鴨肉など深みのある味わいを持つ食材とも相性が良さそうです。



このように同じブドウ品種をメインとしたワインでも全く異なるスタイルで楽しめます。ぜひ、コノスル ワインで秋を彩ってみてくださいね。

<参考文献>
一般社団法人 日本ソムリエ協会 ワイン検定ブロンズクラス教本
OKTOBERFEST 2024 日本公式サイト


この記事で紹介したワインはこちら

シラー ビシクレタ・レゼルバ
シラー ビシクレタ・レゼルバ

シラー ビシクレタ・レゼルバ
イチゴやイチジクのジャム、煮詰めた赤い果実の濃厚な香り。シラー独特のスパイシーさも微かに感じられる。豊富なタンニンと、質感あふれる口当たりが印象的。やや若さはあるもののベルベットのような滑らかさ、スムーズな舌触りとボリューム感が味わえる。

シングル ヴィンヤード シラー
シングル ヴィンヤード シラー

シングル ヴィンヤード シラー
カンポ・リンド葡萄園の第25区画「ラ・パルマ La Palma(=ヤシの木)」の葡萄を使用。冷涼な場所で育てられた葡萄をオープントップタンクで発酵。シラーの力強さがありながらも、程よい酸味、まろやかなタンニンが感じられるエレガントなスタイル。

20バレル・リミテッド・エディション シラー
20バレル・リミテッド・エディション シラー

20バレル・リミテッド・エディション シラー
新樽100%で16ヶ月熟成。とてもエレガントな果実味が楽しめるフルボディ。タンニンは豊富ながらよく熟していて、バランスの取れた酸と共に全体を引き締めている。

この記事を書いた人

竹内 綾恵美

ソムリエ

たけうち あけみ

竹内 綾恵美

  • (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
  • SAKURAアワード2024 審査員

料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。