2020.12.11

  • 楽しみ方

【コノスル家飲みスタイル Vol10】 冬に美味しい鍋で、あったかペアリング<後編>


前編のおでんに引き続き、後編は、様々な鍋にどうワインを合わせていくか、変わり鍋系にも挑戦します。野菜もたくさん摂れるお鍋、ヘルシーで美味しく、ワインでちょっとオシャレに。冬こそ、ワインライフ&おうち時間をエンジョイしてまいりましょう。

1. みんな大好き鍋料理、人気ランキングベスト5は?

某食品メーカーのWEBアンケートによると、ここ数年の好きな鍋料理の第1位は、ダントツでキムチ鍋。ピリ辛のスープが癖になる味わいで、締めのご飯にチーズを加えてリゾット的な味わいへ変化させるなど、アレンジ次第で食べ方に幅が出るのも人気の秘密かもしれません



第2位は、豆乳鍋。スープに豆乳を加えることでマイルドな味わいと濃厚さが人気だそうです。出汁や醤油と豆乳の相性も良いですし、胡麻ペーストなどをプラスするとさらにコクが増して美味しいです。

そして第3位は寄せ鍋、第4位はすき焼、第5位はもつ鍋でした。この辺りは得票数としては僅差で、ほぼ等しく人気でした。  



これらの鍋は比較的味わいが濃厚で、材料も肉系が多く登場します。となると、やはり合わせるワインにもパンチが欲しいですよね。ペアリングの基本は「同調」というのは前回お伝えした通りですが、他にも「補完」するペアリングもあります。別の言い方をすれば「対照のペアリング」というものです。これは、塩気が強いものと甘口ワインの相性が良いように、対照的な味わいがお互いを引き立てる場合のことです。今回は、対照のペアリングにもチャレンジしてみたいと思います。  

2. やっぱり赤が合う鍋はこれ!

前編では白のみのペアリングでしたので、今回は次の赤ワインを追加してみました。


<シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョン>


<オーガニック ピノ・ノワール>


シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョンはマイポヴァレーのなかでも高所に位置する畑のブドウを手摘みで収穫し、ステンレスタンクで発酵後、フレンチオーク樽100%で14か月樽熟成。さらにその後、ステンレスタンクで1ヶ月熟成と、なかなか手間暇をかけています。色調は紫がかったとても濃いルビーレッド色で、芯は黒みがかっていて凝縮度が高いことが分かりますね。香りは、カシスやブラックチェリーなどの凝縮された果実の香りで、リコリス、バルサミコなど甘いスパイスと黒コショウやピーマンのニュアンスもあります。もうこれは、みなさんもお分かりの通り、合わせるお鍋は、すき焼きですよね。



すき焼きのタレは、醤油と砂糖がベースでかなり濃く甘口ですが、さらにそこへ牛肉の甘みや脂味が濃厚さを増しています。これにタンニンの効いたシングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョンがベストマッチ。脂っこくなりがちなすき焼きをこのタンニンがすっきりまとめてくれ、いくらでも食べられてしまいそう。また熟成された樽の風味や凝縮度の高い果実味が砂糖醤油と似た要素もあり、相性がいいのも納得です。

では、同じ赤でもかなり雰囲気の異なるオーガニック ピノ・ノワールを試してみましょう。

オーガニック ピノ・ノワールはエコサート認定の有機栽培葡萄を使用し、オーク樽で6ヶ月、ステンレスタンクで2ヶ月熟成させています。イチゴやチェリージャムの果実香、なめし皮、微かに腐葉土やキノコなどの香りがあり、きれいな酸味と程よいタンニンが特徴です。こちらもすべて手摘みによる収穫です。



透明感のある、明るいチェリーレッドがなんともピノ・ノワールらしい印象。

こちらも樽熟はしていますが、すき焼きの重さとワインの重さがアンバランスでした。オーガニック ピノ・ノワールは、そのブドウの個性を生かすべくセカンドユースのフレンチオーク樽(ミディアムロースト)で6ヶ月、さらにステンレスタンクで2ヶ月熟成させており、シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニョンに比べるとかなりライトな仕上がりです。

シンプルな塩コショウで味付けしたステーキや白カビのチーズなどにはうってつけだと思いますが、すき焼きとのマリアージュではシングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンに軍配が上がりました。

では、前回も登場した白4種でも検証してみました。意外とすき焼きとの相性が良かったのがシングルヴィンヤード シャルドネでした。やはりシャルドネの熟成感と樽感がボディを厚くし、すき焼きにマッチしているのだと思います。是非、すき焼きには赤という概念を外して、樽の効いたシャルドお勧めします。

そして、若干好みが分かれるかもしれませんが、シングルヴィンヤード リースリング、ビシクレタシリーズ ヴィオニエも私はおいしく感じました。リースリングのちょっぴり甘やかな印象やヴィオニエの樽熟している点などが、すき焼きの味わいや重さに同調しているからかもしれません。



それから補足ですが、胡麻ダレにヴィオニエが合いました。豚肉のしゃぶしゃぶ+ゴマダレにはヴィオニエがおすすめです。ポン酢ではなく胡麻タレというところがポイントです。



3. 味噌系、変わり鍋系にはこんな組み合わせも

そして、人気のお鍋として堂々の第1位を誇るキムチ鍋ですが、ワインとの相性が難しいと思いますよね。ところが、あるんです!それは、ビシクレタシリーズ ゲヴュルツトラミネールです。ご存知の方は察しがついたかもしれませんが、中華やエスニックなどに俄然威力を発揮するゲヴュルツトラミネールですが、キムチ鍋にもしっかりフィット。

最近、ワイン好きに転向した主人も最初はこの組み合わせに疑心暗鬼でしたが、ゲヴュルツトラミネールを飲み、キムチ鍋をいただくと、あら不思議。合うじゃないですか!と驚きの顔をしていました。ゲヴュルツトラミネールの華やいだ香りも味わいもキムチ鍋の前ではどこかシュッとした印象になり、キムチ鍋も上品な味わいに感じられます。

また、シングルヴィンヤード シャルドネもキムチ鍋に合いました。もうシャルドネの変幻自在ぶりには脱帽。

そして、味噌系にもチャレンジしてみました。がっつり味噌系ということで牡蠣の土手鍋を用意。  



これは、シングルヴィンヤード シャルドネがピッタリでした。

八丁味噌を使った黒く味の濃い土手鍋ですが、牡蠣の旨味が味の全体を占めており、牡蠣にはやっぱりシャルドネなんだな~と感じた瞬間でした。



他に、オーガニック ピノ・ノワール、シングルヴィンヤード リースリング、ビシクレタシリーズ ヴィオニエも合わないこともないかなという印象です。

さて、お鍋とワインのペアリングいかがでしたでしょうか。
是非、これからの季節、鍋料理の際は参考になさってください。  

この記事で紹介したワインはこちら


オーガニック ピノ・ノワール
オーガニック ピノ・ノワール
エコサート認定の有機栽培葡萄を使用。オーク樽で6ヶ月、ステンレスタンクで2ヶ月熟成。イチゴやチェリージャムの果実香、なめし皮、微かに腐葉土やキノコなどの香り。新鮮で澄んだプラムを思わせる果実味があり、きれいな酸味と程よいタンニンが感じられる。


シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン
シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン
エル・レクルソ葡萄園の第18区画「エル・ルクレソ El Recurso(=資源)」の葡萄を使用。カシス、チェリーなどの鮮やかな果実香。とてもソフトで凝縮度が高い。甘いスパイスやリコリスなど複雑なニュアンスが感じられる。


シングルヴィンヤード シャルドネ
シングルヴィンヤード シャルドネ
エル・センティネラ葡萄園の第5区画「ケブラダ・アルタ Quebrada Alta(=小川の上流)」の葡萄を使用。トロピカルフルーツや白桃のような柔らかな香り、白い花のニュアンス。きれいな酸味とリッチな果実味、ミネラル感を備えた滑らかで豊かな味わい。


シングルヴィンヤード リースリング
シングルヴィンヤード リースリング
キトラルマン葡萄園の第23区画「ルーロス・デル・アルト Rulos del Alto(=高い位置の畑)」の葡萄を使用。白い花、柑橘系果実、カリンなどの豊かな香りが楽しめる。果実味がフレッシュで鮮やか。


ビシクレタ・レゼルバ ゲヴュルツトラミネール
ビシクレタ・レゼルバ ゲヴュルツトラミネール
鮮烈なライチの香りや、マスカット、メロン、バラの花びらの甘くエキゾチックな香りが印象的。香りがそのまま味わいにつながるような独特の風味が特長。クリアーで雑味がなく飲みやすい。しっかりとした酸味で、香りの印象に比べドライな味わい。


ビシクレタ・レゼルバ ヴィオニエ
ビシクレタ・レゼルバ ヴィオニエ
鮮烈なアプリコット、白桃、クチナシの香りに微かな樽熟成によるナッツのノートが複雑性を与えている。ボリューム感と酸を感じるが口当たりは柔らか。微かに樽熟成を感じさせるナッツの風味があり、マイルドな余韻が楽しめる。