2022.05.16
- 楽しみ方
ワインと焼肉で父の日。様々なお肉とワインの相性を探ってみました!
6月第3日曜日(6/19)は「父の日」です。例年のことではありますが、何をプレゼントしようか?と悩んでいる方も多いのではないかと思います。そこで今回は、「お父さんが食べたいものを、飲みたいものを楽しむ!」をコンセプトに家族も一緒に楽しめるワインコーディネートをご提案します。
ワインと焼肉でベストマリアージュを探る
父の日パーティには、やはり家族みんなが楽しめるお肉がぴったりですね。そこで、お肉とワインとのベストマリアージュを探ってみました。調理法は「焼く」というシンプルな方法のみ。これなら多くの準備は不要ですし、家族と一緒に楽しくワイワイできそうです。
お肉は、牛(カルビ、バラ)、豚(ロース、豚トロ、タン)、ラムの3種、部位違いを含めると6種用意しました。ワインはビシクレタ・レゼルバシリーズからカベルネ・ソーヴィニョン、マルベック、シラー、シャルドネとソーヴィニヨン・ブランです。
赤ワインはお肉に合いそうなパワフル&リッチ系のブドウ品種で造られたラインナップ。白ワインは爽やかで許容範囲が広く、代表選手的存在の2本です。さて、結果はいかに。
<牛カルビ>
まず、想定通りこちらには赤ワインが断然良かったです。国産黒毛和牛のサシがバランス良く入った上質のお肉にはカベルネ・ソーヴィニョンと一番相性が良かったです。上品なペアリングで、美味しいお肉を食べている感が堪能できます。
次に良かったのがマルベック。甘辛いコチジャンをつけるとさらにマルベックの果実味が広がり、美味しくなります。シラーもまったく悪くないのですが、先の2本と比較するとやや平坦な印象です。
白ワインとの相性も決して悪くはありません。特にソーヴィニヨン・ブラン。トライするまでは、赤身肉と白ワインの組み合わせは正直どうかなあと思っていましたが、思いの外合いました。しかし、シャルドネになるとお肉が勝り、シャルドネの良さが消えてしまう印象でした。
<牛バラ肉>
牛カルビよりも脂身が多くなりますが、これはシラーが良かったです。赤ワイン全般は問題なくマッチしますが、白ワインはソーヴィニヨン・ブランでも負けてしまいますね。ただレモンを絞ると一気に白ワインに寄り添ってきますので、どのように食べるかも重要な要素になります。
<豚ロース>
塩、こしょうで食べるならシャルドネとソーヴィニヨン・ブランが良かったです。タレをつけるなら赤もいいです。赤ワインと白ワインで味わいの印象は変わりますが、比較的どのワインにも合いました。これはビシクレタ・シリーズの赤ワインがそれほど重くなく、クリーンなストラクチャーのワインだからではないかと思います。豚肉は焼くと白っぽくなるので白身肉といわれ、一般的には白ワインが合うとされていますが、適度な肉の弾力、旨味と脂身が重すぎない赤ワインとも馴染むのだと思います。
<豚トロ>
豚トロとは、豚の頬から肩のネック部分でマグロのトロのような印象からトロという名前がついたようです。余談ですが豚トロは農林水産省が定めている「食肉小売品質基準」には部位として含まれておらず、もつ(内臓肉)に分類されているとか。豚トロは脂身が多く、ジューシーさが売り。焼くと歯応えのある食感で、意外にもさっぱりと食べられます。
こちらは塩とレモンでいただくと肉の旨味と脂の甘みがダイレクトに感じられます。
一番のおススメはソーヴィニヨン・ブランでした。
<豚タン>
今回は、牛タンではなくあえて豚タンにしてみました。焼肉となると赤ワインとイメージしてしまいそうですが、白ワインと焼肉の可能性も探ってみたかったので、ここはあえて豚タンをセレクト。牛タンと豚タンの違いといえば、豚タンのほうがさっぱりした味わいで、全体の肉質が牛タンよりも柔らかいのです。よって、少し厚めに切っても食べやすく、焼いた時のコリコリした食感は豚タンの方がより楽しめます。
面白い結果が出ました。
シャルドネもソーヴィニヨン・ブランも〇です。ところがさらに良かったのが、マルベックとカベルネ・ソーヴィニョンでした。シラーもなかなか良いですが、他の赤ワインに2種に比べると若干ですが、豚タンがワイルド(やや血の味わい)に感じました。
すべて、豚タンは塩こしょう+レモンで食べ、ワインを合わせたのですが、赤ワインが心なしか甘く、丸く感じたのです。ワイン単体で楽しむより豚タンと合わせるとぐっとチャーミングな印象になりました。これは癖になるペアリングです。今回の大発見と言えるもので、とっても美味しかったです。
<ラム>
最後はラム肉です。やや厚めに切ったラム肉だったのですが、こちらは予想通り赤ワインが圧勝。シャルドネは×、ソーヴィニヨン・ブランはコチジャンなどをつけて食べれば〇、赤ワインの3本はいずれも◎でした。
父の日こそ、家族みんなでワインを楽しみましょう
今回は、白ワインと赤ワイン、そしてお肉の種類や食べ方も変化させて焼肉とワインの相性を探ってみました。これも自宅だからこそなせる業。ぜひ、この記事を参考に、今年の父の日は様々なお肉とワインで家族で楽しみましょう。
この記事で紹介したワインはこちら
ビシクレタ・レゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン
ビシクレタ・レゼルバ カベルネ・ソーヴィニヨン
鮮烈なカシス、チェリー、プラムの香りに、ミントやコショウなどスパイスの香りが複雑性を与えている。エレガントでしっかりとした骨格を持つ、果実味豊かで深い味わいのワイン。
ビシクレタ・レゼルバ マルベック
ビシクレタ・レゼルバ マルベック
ジューシーでほのかに甘く感じられる凝縮された果実味と、柔らかなタンニンが魅力。
ビシクレタ・レゼルバ シラー
ビシクレタ・レゼルバ シラー
イチゴやイチジクのジャム、煮詰めた赤い果実の濃厚な香り。シラー独特のスパイシーさも微かに感じられる。豊富なタンニンと、質感あふれる口当たりが印象的。やや若さはあるもののベルベットのような滑らかさ、スムーズな舌触りとボリューム感が味わえる。
ビシクレタ・レゼルバ シャルドネ
ビシクレタ・レゼルバ シャルドネ
フレッシュなパイナップルのトロピカルな香りと、微かなハーブやオレンジなど白い花のニュアンスが特長的。柔らかな酸味とトロピカルフルーツを思わせる果実味豊かなワイン。
ビシクレタ・レゼルバ ソーヴィニヨン・ブラン
ビシクレタ・レゼルバ ソーヴィニヨン・ブラン
柑橘系の爽やかな香りやスグリ、アプリコット、リンゴのキャンディの香りがあり、微かなハーブや緑の芝の香りが印象的。品種の個性がはっきりと現れた爽快でクリアーなタイプ。骨格がしっかりとしていて和食との相性が良い。
この記事を書いた人
たけうち あけみ
竹内 綾恵美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- SAKURAアワード2024 審査員
料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。