2021.12.09

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肉料理に合わせて飲み比べ!コノスルのカベルネ・ソーヴィニヨン 3 種

今年も残すところ 1 か月。「師走」という字を見ただけで気忙しく感じますが、クリスマスや大晦日のご馳走に想いを馳せる、という方も。長引くコロナ禍の影響で昨年に引き続き、おせちの注文が伸びているそう。しかも、高価格帯の商品が売れ行き好調というのですから、きっと自宅で家族や気の置けない仲間たちとちょっぴり贅沢なお料理とお酒を楽しむのではないでしょうか。そこで、今回はワインの王道、カベルネ・ソーヴィニヨンのワイン 3 本の飲み比べをしてみたいと思います。

1. カベルネ・ソーヴィニヨンとは

カベルネ・ソーヴィニヨンの原産はフランス・ボルドー地方。小粒で果皮が厚く、カベルネ・フランとソーヴィニヨン・ブランの自然交配によってできたと言われています。晩熟品種のためブドウが成熟するためには、水はけがよく酸性で、日当たりの良いエリアが最適。果肉に対して果皮・種子の比率が高いため、カベルネ・ソーヴィニヨンで造られたワインは、一般的に深い色調で豊かな香りと渋みを持ち、凝縮感のある力強い味わいとなります。ワイン用ブドウとしてのポテンシャルが高く人気のため、世界各国で栽培されています。ボルドー地方では、メルローやカベルネ・フランをブレンドし、味わいのバランスを取ることがほとんどですが、カルフォルニア州やチリなどでは単一で使用することも多く、より緻密で凝縮した果実味のワインが生まれます。

カベルネ・ソーヴィニヨンについては、以下の記事でもご紹介していますので、こちらも合わせて御覧ください。

【ブドウ品種に詳しくなろう! Vol.1 】「最も旅している黒ブドウ」カベルネ・ソーヴィニヨン

コノスルでは、カベルネ・ソーヴィニヨンを主とするワインは各シリーズでエントリーされており、その味わいは様々。栽培環境の違いや醸造方法、目指すスタイルなど、実にバラエティに富んでいます。

そこで、コノスルの3つのシリーズからカベルネ・ソーヴィニヨンを主とするワイン3本を比較し、その味わいや楽しみ方の違いを探ってみました。

2. 同一ブドウ品種3種飲み比べで、しっかり、どっしりのフルボディワインを味わう

ワイン 1 本目は、20 バレル・リミテッド・エディション カベルネ・ソーヴィニヨンです。これは、コノスルが誇るフラッグシップ・カベルネ・ソーヴィニヨン「シレンシオ」のセカンド的存在のワインで、フレンチオーク樽で 17 ヶ月熟成しています。セパージュ(品種)比率は、カべルネ・ソーヴィニヨン 91%、シラー 7 %、メルロー2 %となっており、黒スグリ、ベリー、カシス、黒コショウ、土やタバコの香りがあり、しっかりとしたタンニンで、余韻を長く楽しめるワインです。アルコール度数は 13.5 〜14.5%vol のフルボディです。

2本目は、シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン。シングルヴィンヤードシリーズは、「適地適品種」栽培を目指し、単一葡萄品種を最適な標高、土壌、気候の単一区画で栽培することで、それぞれの品種の純粋な個性を表現しています。よって、こちらのカベルネ・ソーヴィニヨンのセパージュ比率は当然カベルネ・ソーヴィニヨン 100%。カベルネ・ソーヴィニヨンらしい味わいが楽しめるフルボディで、豊かで丸みのあるタンニンと凝縮された黒系果実の味わいのバランスが非常に良いです。

3本目は、レゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクション カベルネ・ソーヴィニヨン。カベルネ・ソーヴィニヨンに、カルメネール、マルベック、シラーが数パーセントずつブレンドされています。手摘みしたブドウを 11 ヶ月間、樽熟成。カシスやブラックチェリー、黒コショウやミントの香りに豊富なタンニンと酸味のバランスが良く、長い余韻が楽しめるワインです。こちらもフルボディです。

3本ともセパージュ比率や熟成期間や熟成方法、栽培地の違いなどありますが、共通するのはしっかりとした味わいと高めのアルコール度数でしょうか。これはフルボディの共通点とも言えますが、お料理との相性はどうでしょうか。

フルボディの赤ワインとなるとお肉料理とのペアリングが真っ先に浮かぶことでしょう。とりわけ赤身肉の代表格である牛肉との相性が良いというのはご承知の通りです。カベルネ・ソーヴィニヨンのしっかりした骨格と豊富なタンニンが、脂肪分の多い牛肉などパワフルな食材と合うのです。

3. ステーキ×カベルネ・ソーヴィニヨン

そこで、牛肉を使ったポピュラーなお料理(ステーキ、焼き肉、ビーフシチュー)とペアリングし、そのワインの味わいや個性をさらに比較してみました。まず、ステーキは同じ南米育ちのウルグアイビーフをチョイス。産地を合わせるというのもペアリングの王道ですね。

【コノスル家飲みスタイル Vol6】 食欲の秋、注目のウルグアイビーフ×コノスルの赤で南米ペアリング!

ウルグアイビーフは赤身が多く高タンパク質でありながら低カロリー。積極的に選びたい食材です。ウルグアイビーフに塩・コショウをし、スライスしたニンニクをのせ、十分に熱したフライパンで焼きます。ソースは、醤油ベースのステーキソースにしました。

程よい厚みのあるステーキに一番しっくりいったのが 20 バレル・リミテッド・エディションのカベルネ・ソーヴィニヨンでした。シルキーな口当たりがステーキ肉の旨味を口中で上品にまとめ上げ、美味。家庭で焼いたステーキがワンランクアップしました。

次に好相性だったのは、レゼルバ・エスペシャルヴァレー・コレクションのカベルネ・ソーヴィニヨン。3 本の中では最もカジュアルで果実味豊かなワインですが、ステーキが気負いなく食べられます。ただ、ちょっとカジュアルになり過ぎる傾向があるので、おススメは 20 バレルのカベルネ・ソーヴィニヨンですね。

4. 焼肉×カベルネ・ソーヴィニヨン

さて、焼肉はどうでしょうか。適度にサシの入った国産和牛を甘辛のタレでいただきます。こちらは、シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンもいい感じです。

コチジャンやニンニクなど少しピリッと刺激のある味わいに何ら抵抗なく馴染みました。おそらく、シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンの黒コショウやピーマンのニュアンスが様々な香辛料が含まれたタレやコチュジャンと調和している気がします。

しかしながら、この味わいの上を行くのが、やはり、20 バレル・リミテッド・エディション カベルネ・ソーヴィニヨンでした。薬味となるネギやニンニクと一緒に包まれたお肉の間にスルっと入り込みむように、ワインが主張しすぎることもなく、とってもエレガント。高級焼肉店で食べている雰囲気になります。恐るべし 20 バレルです。

5. ビーフシチュー×カベルネ・ソーヴィニヨン

さらに、こっくりと煮込んだビーフシチューとも合わせてみました。これはダントツでシングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンが良かったです。何が違うのか少し考えてみますと、ビーフシチューはトマトや香味野菜、赤ワインなどに、小麦粉をバターで炒めたブラウンルーを合わせて、さらに肉を加え煮込みます。

味の構成要素を紐解くと、酸味や香りのあるさっぱりした味わいと油脂分や旨味などコクのある味わいが混然一体となった料理。となると、今回の 3 本とも同調する部分がありそうですが、ビーフシチューはトマトの酸味がベースになっているせいか、今回3本の中では酸味やスパイシーさがはっきり感じられるシングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンが良かったです。

一方、レゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクションのカベルネ・ソーヴィニヨンはもう少しシンプルかつライトな味わいのお料理に合うような気がします。

そして、20 バレル・リミテッド・エディション カベルネ・ソーヴィニヨンはビーフシチューも OK ですが、もう少し素材感が分かりやすい料理の方がワインの良さが引き立つように思います。そして、家庭料理をランクアップさせてくれるという優れもの。普段使いもいいですが、来客の時のワインというポジションもよさそうです。

6. ライトに、かつカジュアルに楽しむなら・・・

それぞれのペアリングの後、お馴染みのある料理が浮かびました。焼き鳥です。3本中、最もいきいきとした果実味が特徴的だったレゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクションのカベルネ・ソーヴィニヨンなら、ビーフだけでなく鶏肉などにも合うのではないかと思いました。そこで、早速ペアリングしてみると・・・。

合いました!

はい、これは他の 2 本よりも断然レゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクションのカベルネ・ソーヴィニヨンがいいですね。こちらもしっかりフルボディなのですが、その味わいは 3 本の中でも最もライトでチャーミングです。だからこそ焼き鳥のタレくらいの軽さがピッタリ。

ウルグアイビーフ ステーキ 焼肉 ビーフシチュー 焼き鳥
『20バレル』
カベルネ・ソーヴィニヨン

シルキーな口当たりが
ステーキと好相性。

焼肉の味わいを
ワインが引き立てる。
高級焼肉店で食べている
雰囲気になる。

素材の味がはっきり
表現されている料理のほうが
相性が良いかも。


『シングルヴィンヤード』
カベルネ・ソーヴィニヨン



ワインにある胡椒や
ピーマンのニュアンスが
たれやコチュジャンとマッチ。

ワインに含まれる
酸味やスパイシーさが
ビーフシチューと好相性。


『レゼルバ・エスペシャル』
カベルネ・ソーヴィニヨン

カジュアルな感じで、
気負いなくステーキと
合わせられる。



もう少しシンプルで
ライトなお料理のほうが合いそう。

焼き鳥のタレと
合わせたときに
ワインが軽すぎず重すぎず、
ちょうどいい。

こうしてみると、同じブドウ品種で造られたワインでも違いははっきりしています。コノスルの各シリーズのコンセプトやそのワイン特徴も把握しながら、ワインを選べるとより楽しくなりますよね。是非、日々のワインライフの参考になさってみてください。

この記事で紹介したワインはこちら

20 バレル・リミテッド・エディション カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨン

20 バレル・リミテッド・エディション カベルネ・ソーヴィニヨン
コノスルが誇るフラッグシップ・カベルネ・ソーヴィニヨン「シレンシオ」のセカンド的存在のワイン。フレンチオーク樽で17ヶ月熟成。カラント、ベリー、カシス、黒コショウ、土やタバコの香り。しっかりとしたタンニンがあり、余韻を長く楽しめる。

シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨン

シングルヴィンヤード カベルネ・ソーヴィニヨンエル・レクルソ葡萄園の第18区画「エル・ルクレソ El Recurso(=資源)」の葡萄を使用。カシス、チェリーなどの鮮やかな果実香。とてもソフトで凝縮度が高い。甘いスパイスやリコリスなど複雑なニュアンスが感じられる。

レゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクション カベルネ・ソーヴィニヨン
カベルネ・ソーヴィニヨン

レゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクション カベルネ・ソーヴィニヨン11ヶ月樽熟成。鮮烈なカシスやブラックチェリーの香りに、タバコのノートが複雑性を与え、黒コショウやミントの香りがこのワインを特長付ける。豊富なタンニンと酸味。バランスが取れたエレガントな深い味わいが特長。長い余韻が楽しめるワイン。

この記事を書いた人

竹内 綾恵美

たけうち あけみ

竹内 綾恵美

  • (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
  • SAKURAアワード2024 審査員

料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。