2023.12.20

  • 楽しみ方

泡とハレの日~スパークリングワインの多様な楽しみ方~


一年中で最も泡(=スパークリングワイン)が似合う季節といえば、なんといっても年末年始ではないでしょうか。グラスに注いだ瞬間に立ちのぼる気泡は躍動感がありなんとも華やか。注いだ後もこんこんとグラスの底から続く小さな気泡はライトに反射して煌めくばかり。泡の華やぎはクリスマスに年越しパーティにそして、ニューイヤーの1杯にと、ハレの日にピッタリ。そんなスパークリングワインの多様な楽しみ方をご紹介いたします。



■スパークリングワインの種類と選び方

<スパークリングワインの種類>

スパークリングワインを語る上で先にお伝えしておきたいのですが、発泡性のワインを「シャンパン」という方が多いですが、厳格にいえばこれは誤り。「シャンパン(あるいは仏語:シャンパーニュ)」と呼べるのは、フランス・シャンパーニュ地方で栽培され、かつ指定されたブドウ品種で、既定の醸造法で造られた5気圧以上のスパークリングワインだけが名乗れる称号です。いくつかの条件のうち、1つでも該当しない場合は、たとえフランス・シャンパーニュ地方で造られていても「シャンパーニュ」とは呼べません。ですので、発泡性のあるワインは一般的には「スパークリングワイン」というのが正しいです。



また、スパークリングワインにはシャンパーニュのように比較的ガス圧が高いものもあれば、ガス圧が3%以下の微発泡タイプもあります。白ワインに近いタイプやロゼ・スパークリング、イタリアのランブルスコに代表されるような赤ワインを発泡させたものもあります。醸造方法についても、ひと瓶ごとにスティルワイン(発泡していないワイン)に糖分を添加して、瓶内で2次発酵させる伝統的な製法によるものや、ステンレスタンクのような大きなタンクで2次発酵させるもの(=シャルマ方式)、さらには炭酸ガスを添加するものなどがあります。



さらに、スパークリングワインはノンヴィンテージ(収穫年を定めないで、いくつかのヴィンテージワインを原料とするため)であることが多いです。ヴィンテージを記載しているスパークリングワインは、フランス語で「ミレジメ」といって、その年のブドウがとりわけ良質で一定量が確保できる場合などに、限定的に造られます。

■コノスルのスパークリングワインラインナップの紹介

<スパークリング ブリュット>



辛口タイプのスパークリングワインです。フレッシュでミネラルに溢れた味わいと、二次発酵によって生まれる酵母やハチミツなどのニュアンスを楽しむことができます。ぶどうはチリ南部、ビオビオ・ヴァレーの冷涼な気候と赤粘土質土壌に育まれたシャルドネ種を95 %、ピノ・ノワール種を5 %使用。シャルドネの30%をフレンチオークの新樽で一次発酵させているため、このワインにはパンを発酵させたような酵母の香りがあります。一次発酵終了後、ステンレスタンクで約1ヶ月の二次発酵を行い、その後数ヶ月間、滓と一緒に寝かせることで味に複雑さと深みを持たせています。リーズナブルでありながらもクオリティの高さに定評がある1本です。

<スパークリング ロゼ>



そして、もう1種類は「スパークリング ロゼ」です。こちらはピノ・ノワール種100 %で造られたロゼのスパークリングワイン。苺やブルーベリーのようなベリー系の優しい果実味と豊かな酸味に溢れ、かすかに感じられる渋みがワインにふくよかさを与えています。通常よりも1ヶ月程早く収穫することで、酸味やボリューム感において理想的なバランスをとっており、さまざまなお料理に合います。色合いも淡いピンク色で、その上品な外観とチャーミングな香りはロマンチックなテーブルを演出してくれることでしょう。

■スパークリングワインの独特な魅力と飲用シーンの多様性

スパークリングワインの魅力といえば、やはり「泡」です。発泡性のあるスタイルは、口中をフレッシュにし、酸味の効いた味わいは食欲を増進させます。また、華やかな装いがパーティーやお祝いの席でも重宝されます。さらに、スパークリングワインのアルコール度数は10~12%と一般的なワイン(11~14.5%程度)より、アルコール度数が低めなのも万人受けしやすい理由かもしれません。
さらに、爽快感溢れる飲み心地は、夏の海辺や暖房の効いた室内でも私たちをクールダウンさせてくれます。このようにシーンを選ばず、どのシチュエーションでもうまく溶け込み、さらに、その場を格上げしてくれるスパークリングワインは唯一無二の存在なのかもしれません。



■食事の組み合わせとスナックアイディア

コノスルのスパークリングワインはクオリティも高く、エチケットもキュートなのでプレゼントにも向いています。手土産としてパーティーに持参すれば、喜ばれること間違いなしです。そして、食事との相性もまた良いのが魅力です。
この時期、気の置けない仲間たちとのクリスマスパーティーやカウントダウンパーティでは、オードブルや気軽なフィンガーフードと合わせてみてはいかがでしょうか。
和のフィンガーフードといえば「お寿司」。酢飯を使った少し酸味のある味わいはコノスル スパークリング ブリュットがおススメです。さっぱりした味わいが素材の味を活かし、より食事を快適にしてくれます。



苺があしらわれたクリスマスケーキやチョコレートなどの少しビターな味わいがあるフードにはスパークリングロゼがさらにマッチするでしょう。また、生ハムやエビなど旨味の強い食材にもロゼは難なく合います。また揚げ物料理にもスパークリング ロゼは相性が良いです。ほのかなタンニンが油分を適度に吸収し、最後まで軽快に食事を進めてくれます。
さあ、スパークリングワインの魅力を存分に活用して、この時期をより一層楽しんでくださいね。



この記事で紹介したワインはこちら

スパークリング ブリュット
スパークリング ブリュット

スパークリング ブリュット
チリ南部、ビオビオ・ヴァレーの冷涼な気候と赤粘土質土壌に育まれた葡萄を厳選。製法はシャルマ方式。テロワール由来のフレッシュでミネラルに溢れた味わいと、二次発酵によって生まれる酵母やハチミツなどのニュアンスを楽しむことが出来る。

スパークリング ロゼ
スパークリング ロゼ

スパークリング ロゼ
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産の葡萄を厳選して使用。シャルマ方式。イチゴやブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味が感じられ、微かに感じられる心地よい渋みがボディにふくよかさを与えている。余韻にも柔らかな果実の甘みが残る。

この記事を書いた人

竹内 綾恵美

ソムリエ

たけうち あけみ

竹内 綾恵美

  • (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート

料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。アルコールはあまり得意ではなかったはずが、ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。