2020.08.20
- 楽しみ方
【コノスル家飲みスタイル Vol5】 ロゼ×3種の餃子で楽しむPINKな食卓
暑い夏がやってきました。ひき肉とキャベツ、そしてネギやニンニクなどの香味野菜で作る餃子はスタミナ満点で夏にピッタリなお料理。誰が作っても比較的簡単で美味しくできる餃子は、食卓でも登場回数が多いメニューですよね。
そして、餃子には冷えたビール・・・と思いがちですが、いえいえ、ワインも合いますよ。今回は、前回のエスニック料理に続いて、一見ワインは難しいのかな?と思いがちな餃子とワインの相性を徹底調査し、さらなるワインの楽しみ方をお届けします。
焼き・揚げ・蒸しの異なる餃子とロゼワインを徹底検証
今回ご用意したのは「スパークリングワイン ロゼ」と「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」で、どちらもピノ・ノワール100%のロゼのスパークリングとスティルワインです。ピノ・ノワールといえば、フランスのブルゴーニュ地方を代表する赤ワイン用ブドウ品種。透明感のあるルビー色で比較的タンニンの少ない、なめらかな味わいのワインになり、世界的にもファンが多い品種です。
実は餃子とワインとの相性は何度となく取り上げられていますが、ワインの中でもロゼワインが餃子には合うというのがほぼセオリーになりつつあります。というのも、餃子はお肉を使いますが野菜もふんだんに使うため料理としてはそれほど重たくありません。赤ワインを合わせる程のボリューム感はないけれど、白ワインでは負けてしまいそう。濃厚すぎず、淡白すぎないバランスの取れたロゼワインは餃子にピッタリというわけです。
さて、餃子というと日本では焼き餃子が一般的ですが、今日は焼く、揚げる、蒸すの3種類でロゼワインと餃子の相性を徹底検証します。
夏ですからやっぱりスパークリングは外せませんよね。
まずは、「スパークリングワイン ロゼ」を合わせてみましょう。コノスルの「スパークリングワイン ロゼ」はチリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産の葡萄を厳選してフルーティな個性を引き出すシャルマ方式でつくります。イチゴやブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味が感じられ、泡立ちがきめ細かく、色も微かなピンクで上品なイメージ。余韻にも果実の甘みが残るワインで、女性に好まれる味わいです。
餃子の餡は焼き餃子も揚げ餃子も全く同じものにしたのですが、この「スパークリングワイン ロゼ」にベストマッチなのは、揚げ餃子でした。
作り方を簡単にご紹介します。肉、野菜など材料に、塩コショウ、ごま油、オイスターソースに我が家ではめんつゆ、そして隠し味にシナモンを少し入れます。市販の皮で餡を包み、180℃の油でゆっくり揚げます。
揚げた皮の香ばしさとスパークリングワイン ロゼのシュワシュワ感がいい感じです!これがもう一つの「ビシクレタ ピノ・ノワール・ロゼ」と合わせてみると、悪くはないのですが、ちょっと物足りなく感じました。さらにタレは、揚げ餃子にはもろみに漬け込んだ粒マスタード(市販品)を添えてみました。すると、粒マスタードのつぶつぶ感と揚げた皮のサクサク感、そして「スパークリングワイン ロゼ」の泡が妙に小気味よく、手が止まらなくなるほど。
そして、焼き餃子には、「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」が良かったです。フレッシュでエレガントでありつつ、ジューシーで赤い果実の風味が特徴の「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」ですが、味わいはよりスッキリとした印象で後味さっぱり。これが焼き餃子にベストマッチ。タレは最近、私の中でちょっと流行りの醤油とラー油を使わない食べ方にしました。どうしても醤油とラー油を使うとタレの印象が強くなりすぎてしまい、餃子とワインのペアリングも単調なものになってしまうと考えたからです。そのタレについてはのちほどご紹介しますね。
焼き餃子はフライパンで焼きますが結構油を使いますし、口に運んだ時に肉汁のジューシー感が焼き餃子の美味しさの中心でもあります。それをしっかり受け止めつつ、油切れを良くし、また食べたくなるようなアシストをしてくれるのが「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」でした。
さらに、蒸し餃子はちょっと変化球で、海老蒸し餃子にしました。お肉だけではなく魚介系の餃子も試してみたいですし、実は海老蒸し餃子が大好物。そこで、スパークリングかそれともスティルワインのロゼか?と何度か繰り返してみましたが、結果は、「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」が良かったです。
海老蒸し餃子は、からし醤油で食べることが多いですが、今回は香酢とからしにしました。からしのツンとくる辛味と香酢のコクと「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」の果実味が寄り添い、海老蒸し餃子の味わいを引き立てているように感じました。
餃子のタレにもひと工夫
繰り返しになりますが、今回はいずれの餃子にもタレには醤油とラー油は使っていません。その代わりと言っては何ですが、餃子の餡自体をしっかり目の味付けにしました。もちろん、めんつゆなど、醤油的要素は使っています。また、もろみ漬けした粒マスタードもさりげなくではありますが醤油の風味がありますし、香酢の熟成感はやや醤油に似た印象があります。
もちろん醤油とラー油を使ってみてもよいと思います。それもみなさん流の楽しみ方ではないでしょうか。
ちなみに、焼き餃子はブラックペッパーとお酢のみ。ミルでと挽き立てのブラックペッパーをたっぷりお酢に加え、焼き餃子にまとわせいただきます。このブラックペッパーが「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」のドライ感と軽やかなタンニンと親和性が高く良かったです。
また味が濃すぎないので、ロゼワインの果実味も感じられ、するするとワインも進みました。醤油に頼りすぎない餃子の食べ方は、特にワインのペアリングにおススメです。
今回スパークリングワインとスティルワインのロゼを比較して改めて感じたことは、当然ですが、泡も立派な味わいだということです。ブラックペッパー酢とスパークリングは、お酸の酸味とスパイシーさと泡がお互いに主張しすぎて合いませんでした。スパークリングにおける泡は非常に重要な要素ではありますが、ペアリングにおいてもこんなにも影響するものかと改めて感じました。
その点、相性が良かった「スパークリングワイン ロゼ」と揚げ餃子は、スパークリングの泡から感じる酸が、揚げ餃子のタレ自体にはなかったため補完し合う関係になり、食感の類似性も伴い美味しく感じられたのだと思います。
でもやっぱり餃子は醤油を使ったタレで!という方には、スティルワインの「ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ」がおすすめです。
家族と一緒に作る自家製餃子とピンクコーデで楽しい食卓に
今回は、家族総出でワイワイいいながら、餃子の手作りを楽しみました。ちょっと形が不揃いでもそこはご愛嬌。
そして、テーブルウエアもさりげなくピンクコーデで演出してみました。取り皿にはピンクの角皿とテーブルセンター、さらに子どもたち用のノンアルコールドリンクもグァバジュースに旬の桃をカットしてピンク色のフルーツカクテル風に。日常的なメニューもワインの色合いと合わせてテーブルコーディネートするとますますオシャレ度がアップしますよね。海老蒸し餃子は、具材のほのかなピンク色が透けて見えて、これまたピンクコーデになりました。お箸やその他の食器はピンクと相性がよい白やグレーで引き締めてみました。
ワインの色やエチケットのカラーを合わせるなど、ちょっとしたテーブルコーディネートをするだけでいつもの食卓がぐんと華やぎます。是非、チャレンジしてみてくださいね。
この記事で紹介したワインはこちら
スパークリングワイン ロゼ
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産の葡萄を厳選して使用。シャルマ方式。イチゴやブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味が感じられ、微かに感じられる心地よい渋みがボディにふくよかさを与えている。余韻にも柔らかな果実の甘みが残る。
ピノ・ノワール ロゼ ビシクレタ レゼルバ
フレッシュでエレガント、チェリーを思わせる赤い果実の香り。ジューシーで柔らかな口当たり。赤い果実の風味豊かで爽やかな味わい。
この記事を書いた人
たけうち あけみ
竹内 綾恵美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- SAKURAアワード2024 審査員
料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。