2021.09.22

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いつもの食卓がドレスアップ!初秋におすすめするフルーツとワインの絶妙ペアリング


朝晩の冷え込みが秋の気配を感じさせる今日この頃ですが、みなさんいかがお過ごしでしょうか。この時期、一年の中で国産のフルーツが最も出揃う季節です。今が旬の梨、洋梨にブドウ、桃もあります。それからプラム、プルーン、イチジク、そして早生のりんごなどワインに合いそうなフルーツが目白押し。見た目の可愛さと甘酸っぱいお味はデザートとしても大活躍で、特に女性はフルーツが大好きですよね。そこで今回は、フルーツとワインのペアリングで初秋を華やかに楽しむご提案です。

華やかな初秋を彩るフルーツたち

フルーツは見た目も色鮮やかで、その存在感はとっても華やかです。そして、ワインの香りは様々なフルーツで表現されます。柑橘系やベリー系、桃や杏などの有核果実、りんごや洋ナシ、さらにはメロンやマスカットなど多種多様です。ワインはブドウが原材料ですが、その香りや味わいは醸造や熟成を経ることでこのように変化するのですからなんとも興味深いものです。ワインは果実酒ですから、フルーツと相性が良いことは説明不要でしょう。ですから、国産のフレッシュなフルーツが出揃うこの時期だからこそ楽しんでいただきたいのが、フルーツとワインのペアリングです。



フルーツを使ったお料理で簡単ドレスアップ

普段は、フルーツはそのまま生食またはデザートアレンジされたものを召し上がる場合が多いかと思いますが、今回ご紹介したいのはお料理。調味料を加えたり、加熱したり、チーズと合わせるなど、フルーツを使うだけでお馴染みのメニューも簡単にドレスアップできます。

例えば、和梨とコンテチーズの前菜風のお料理。あるレストランのアミューズでいただいたのですが、これがとても美味しかったのです。スターターワインとしてよく飲まれるスパークリングワインにうってつけです。果実のほのかな甘みとみずみずしさが口いっぱいに広がりつつ、コンテチーズの塩気が食欲を掻き立てます。



作り方はいたって簡単。和梨の皮をむき、種を取り、薄くスライスします。コンテチーズと重ねてコショウ、そしてオリーブオイルと蜂蜜を混ぜ合わせたものを掛けるだけ。仕上げにハーブをあしらえば、出来上がりです。

コノスル スパークリングワイン ブリュットを合わせてみました。エチケットもイエローグリーンでお料理の色合いともリンクしています。まだ暑さが残るこの時期に爽やかなペアリングになりました。



そして、是非トライして欲しいお料理が、フルーツのピッツア。桃やイチジクなどとろりとした歯ざわりの果物が加熱したチーズの質感と類似してとても美味しいです。アクセントにパンチェッタを加えても美味。これも甘辛ミックスの美味しさですね。



さらに、お手軽な前菜でもう一品。オレンジとトマトのマリネサラダです。彩りも鮮やかで、さっぱり味わえ、ワインとの相性も抜群。作り方は、輪切りにしたオレンジとトマトをセパレートタイプのフレンチドレッシングと15~30分冷蔵庫で馴染ませるだけ。ブラックオリーブやハーブを飾って盛り付けます。



桃のピッツアとオレンジとトマトのマリネサラダにあわせたのは、コノスル スパークリングワイン ロゼ。ピノ・ノワール100%で造られたスパークリングワイン ロゼは、ほのかな渋みがボディにふくよかさを与えていて、ちょっと味わいにインパクトがあるお料理にも合います。



フルーツは素材だけでも完成された味わいなので、手の込んだ調理をしなくても美味しくいただけるのがなんとも嬉しい限りです。

もちろん、手を加えてもOK。メイン料理にもフルーツはとてもいい役割を発揮します。例えば、「豚肉とりんごのマスタードソースグリル」です。りんごは皮をむき、種を取り、スライスし、たっぷりのバターと一緒に180℃のオーブンで15分加熱します。フライパンで塩コショウをした豚ロース肉をローストし、加熱したりんごにのせ、マスタードと生クリームを混ぜたソースを回し掛け、200℃のオーブンで10分程度焼けば出来上がり。



甘ずっぱいリンゴと豚肉がとっても美味。生クリームを使ったソースなので、ボリューム感もあります。こちらには樽熟したシャルドネが良さそうです。そこで、コノスル レゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクション シャルドネを合わせてみました。



こちらは、辛口のミディアムからフルボディで、ボリューム感のある口当たりです。熟したパインやリンゴ、柑橘系などの豊かな果実味があります。ほのかに樽のニュアンスも感じられ、コクのあるリッチな味わいが楽しめる1本なので、まさにベストマッチ。

このように、フルーツを使うと簡単にワインに合うドレスアップした一皿が出来上がります。

フルーツ×ワインで初秋を楽しむ

さらに秋のフルーツペアリングは続きます。これから、秋も深まる中でアフターディナーを楽しむ一皿がこちら。



旬のフルーツを甘口のコノスル コセチャ・ノーブレ レイト・リースリングに一晩漬けこんだ簡単マチェドニアです。
通常のレシピですと、レモン汁、蜂蜜、白ワインに細かく刻んだフルーツを漬け込むのですが、天然の糖分が凝縮された遅摘み葡萄と貴腐葡萄から造られたコセチャ・ノーブレならこれ1つでOK。ピオーネの皮をむきコロンとそのまま漬け込み、プラムやプルーン、和梨などのフルーツはダイス型にカット。もちろん合わせるワインもコセチャ・ノーブレ。フルーツが大人のスタイルに様変わりし、甘美な余韻に浸れます。

また一風変わった食べ方として、シャインマスカットの塩昆布和えはいかがでしょうか。半分にカットしたシャインマスカットと塩昆布を和えるだけ。



塩昆布の旨味とシャインマスカットの甘みが癖になる味わい。こちらもレゼルバ・エスペシャル ヴァレー・コレクション シャルドネが良いかと思います。
そして、赤ワインも是非フルーツに合わせてみてください。

フレッシュなフルーツばかりではなく、ワインと相性がよいのはドライフルーツ。最近は完全ドライではないセミドライフルーツも良く見かけます。カマンベールやクリームチーズなど比較的ライトなナチュラルチーズによく合います。



そして、ワインは、コノスル シングルヴィンヤード ピノ・ノワールです。チェリーやイチゴ、ラズベリーなどの赤い果実の凝縮された果実香とカカオや紅茶の葉のようなニュアンスが感じられ、まさに秋にぴったりなワイン。

用意したフルーツは、プルーン、イチジク、ミックスベリー、オレンジなど。ピノ・ノワールの香りの代表格である赤系果実のドライフルーツは見事なまでの親和性があり、とてもチャーミングなペアリングに。プルーンやイチジクなどもふくよかなボディをもつシングルヴィンヤード ピノ・ノワールなら全く問題なく合います。柑橘系のオレンジも最初の印象こそ、若干、酸や渋みを強調するかのように感じられますが、後半はシングルヴィンヤード ピノ・ノワールのカカオの風味が口中をまるでチョコレートをまとったオレンジピールのような雰囲気にしてくれて面白いです。

こんな風に、フルーツとワインの相性を探っていくのも楽しいですよ。


スパークリング ブリュット
スパークリング ブリュット
チリ南部、ビオビオ・ヴァレーの冷涼な気候と赤粘土質土壌に育まれた葡萄を厳選。製法はシャルマ方式。テロワール由来のフレッシュでミネラルに溢れた味わいと、二次発酵によって生まれる酵母やハチミツなどのニュアンスを楽しむことが出来る。


スパークリング ロゼ
スパークリング ロゼ
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産の葡萄を厳選して使用。シャルマ方式。イチゴやブルーベリーのような優しい果実味と豊かな酸味が感じられ、微かに感じられる心地よい渋みがボディにふくよかさを与えている。余韻にも柔らかな果実の甘みが残る。


レゼルバ・エスペシャル "ヴァレー・コレクション" シャルドネ
レゼルバ・エスペシャル "ヴァレー・コレクション" シャルドネ
ミディアムトーストのフレンチオーク新樽で7ヶ月熟成。鮮烈なパインやマンゴーの香りに、柑橘系の香りとハチミツやメロンのノートが複雑性を与える。柔らかな口当たりでボリューム感があり、豊かな果実味と深みのあるコクが楽しめる。


コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング
コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産葡萄を使用。天然の糖分が凝縮された遅摘み葡萄と貴腐葡萄から造られる。ミネラル感たっぷりでジューシーな甘みとリースリングの爽やかな酸のバランスが取れたエレガントな味わい。残糖度78g/L。


シングルヴィンヤード ピノ・ノワール
シングルヴィンヤード ピノ・ノワール
カンポ・リンド葡萄園の第21区画「ヴィエント・マル Viento Mar(=海風)」の葡萄を使用。色合いは明るめで、鮮やかな赤い果実の香り。チェリー、ブラックチェリーなどのジューシーな果実香。程よい酸味が楽しめるエレガントなスタイル。

この記事を書いた人

竹内 綾恵美

たけうち あけみ

竹内 綾恵美

  • (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート

料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。アルコールはあまり得意ではなかったはずが、ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。