2020.05.27
- 楽しみ方
ピノ・ノワール4種飲み比べ!〜コノスル・オンライン飲み会Part 2〜
贅沢!コノスルのピノ・ノワール4種飲み比べ
みなさん、ステイホーム、 楽しんでいますか?前回、トライしたオンライン飲み会ですが、予想以上に盛り上がり「次はこんなことがやりたいな~」と話していたら、第2回コノスル・オンライン飲み会が実現しました。メンバーは前回と同じく、ワイン有資格者の4人。今回は、コノスルのピノ・ノワール4種を飲み比べという、贅沢かつワイン愛好家ならではの企画です。
テイスティングしたピノ・ノワール4本はこちら。
ピノ・ノワール ビシクレタ クール・レッド2018
オーガニック ピノ・ノワール 2018
シングルヴィンヤード ピノ・ノワール 2017
20バレル・リミテッド・エディション ピノ・ノワール 2017
ガチなテイスティング・コメントでワイン会さながら
せっかくピノ・ノワール4本を目の前にしているのですから、勉強がてら本気でコメントしましょう!ということになりました。テイスティングの順番はセオリー通り、ライトなものからフルボディへと続きます。冷やして飲む「クール・レッド」は別枠で最後ということに。
まず3本を抜栓し、メンバー全員、同じタイミングでグラスに注ぎます。そして、ワインごとにテイスティング・コメントをリードする人を決めて、いざスタート!
オーガニック ピノ・ノワール 2018
熊坂:では、私から行きますね。まず、外観ですが、色はクリアな輝きのあるルビーレッド。粘性は中程度かな。香りは、すみれ、ラズベリー、少しストロベリーが入っていて、樽の香りがあるようですが、皆さんいかがですか。
ゆきお:たしかに、バニラの香りがありますね。樽のローストが効いているので、樽からのスパイスを感じます。
熊坂:飲んでみます。味わいはドライですね。
鈴木:余韻は短いですね。甘やかなものが最後、少し残る感じもします。
テイスティング・コメントは、なかなか緊張するもので、前回とは打って変わって慎重な滑り出しです。「ひとまず、次に行ってみましょう!」と熊坂さんからゆきおさんにバトンが渡りました。ゆきおさんはワイン商社にお勤めで個人的にもコノスルワインのレビュー動画をアップしているワインユーチューバー。リアルではまだお会いしていないのですが、それでもこれだけ近い存在になれるのもオンラインのすごいところ。
シングルヴィンヤード ピノ・ノワール 2017
ゆきお:色の中心はガーネットで縁は淡め。健全で透き通っていて、粘性はこれも中程度。ブルゴーニュのピノを少し思わせる香りで、果実香をしっかり感じるものの赤系果実と黒系果実の中間、ブルーベリー、ラズベリー、少しストロベリーかな。樽も効いているので、香りにもボリュームがあります。
スワリングしてみます(グラスを回す)。
果実の香りがしっかりしますね。それと樽のローストしたところからスパイスを感じます。樽の香りとのバランスがいいですね。
熊坂:スワリングすると、ぐんと香りが立ちますね。
鈴木:香りもふくよかですね。抜栓し立てでこの状態なので、時間を置いたらもっと変化すると思います。ステージが変わった感じですね。
ゆきお:飲んでみましょう。(一同飲む)
熊坂:酸味はどうですか?
ゆきお:それほど強くはなく、酸味が特に出るタイプではないです。それゆえワインがだれることなくバランスが取れている感じがします。アタックからシルキータッチで心地よい飲み口ですね。また、香りから想像できる味わいがあります。アフターになると土の香りもするので、ヨーロッパのイメージに近いピノですね。
竹内:余韻に旨味を感じます。
鈴木:この力強さは、ジュヴレ・シャンベルタン・・・のような。
ゆきお:ローヌ系も感じられますね。力強い感じもしますが、重くはないという絶妙なバランスです。アルコール度数は?
熊坂:14.0%です。先ほどのオーガニックは13.5%。
鈴木:重く感じさせない、バランスの良さが秀逸ですね。
ゆきお:このシングルヴィンヤード ピノ・ノワールはすごく本格的です。
20バレル・リミテッド・エディション ピノ・ノワール 2017
次のテイスティング・コメントは、ワインインショップオーナー鈴木さんです。
鈴木:久しぶりですよ、テイスティング・コメント。緊張します。
(グラスを見つめながら)しばらく眺めていたいくらいの輝きがありますね。色は輝きのあるガーネットで、縁はかなり透明感があります。粘性は先ほどよりだいぶありますね。香りはフルーツの香りが強く、第一アロマ(=葡萄に由来する香り)から複雑さを感じます。ブラックチェリーの香りからプラムといった感じ。遠くにベリー系の香りも残しつつ、ブラックチェリー、プラムといった果実香。そして、ちょっとなめし皮のような。
熊坂:そうそう、皮っぽさがありますよね。
ゆきお:結構、奥に香りがあります。皮の後にすごくスモーキーさを感じます。
熊坂:それは第三アロマ(=熟成によって生じる香り)からでしょうか?
鈴木:樽由来も混ざってきているように感じますね、僕は。
熊坂:クミンシードの香りとかありませんか。
全員:あるある。
竹内:スモーキーっておっしゃいましたが、タバコっぽい感じがありますね。
鈴木:時間が経ってきたので樽香が結構してきましたね。アタックはボリューム感がしっかり。
熊坂:これは、美味しい・・・
鈴木:こういうピノ・ノワール、僕、飲んだことがないです。このワインには、ブルゴーニュは思い浮かばないな。
ゆきお:個性がはっきりしているワインですよね。
熊坂:ブルゴーニュじゃないとすると何ですか?
鈴木:フランスだったら南仏かな。ブラインドして、僕、ピノ・ノワールって言えない。
ゆきお:僕もシラーって言っちゃいそう。タンニンがきめ細やかですね
鈴木:余韻はしっかり酸がありますね。ピノ・ノワールのライトな感じというのはなくて、いい意味で分析しにくいピノ・ノワールですね。20バレルは別品種のワインみたい。コノスルってすごいですね。
ゆきお:全体的にボリュームがありますし、他にはないピノ・ノワール、コノスルとしての特徴を出していこうという意思を感じます。
熊坂:この2017年の20バレルは、ジェームス・サックリングが92ポイントつけてますよ。
竹内:アルコール度数は14.5%、高めですね。
熊坂:オーガニックが13.5%、シングルヴィンヤードが14%だから、見事に階段をのぼるように並びましたね。20バレルは、完全なフルボディですよね。
ゆきお:飲むとめちゃめちゃキレイ。香りもまたすごいですよ。20バレルすごい。
鈴木:香り、立ってきましたね。
熊坂:ミントもありますよね。
鈴木:すっとした香り、確かにあります。
熊坂:「プレミアム・ピノ」と謳うだけあって、同じメーカーのピノとは思えないです。チリのテロワールをすごく意識しているのかな?土壌の力強さが感じられるというか。ブドウよりも土を感じるというか。
ゆきお:ミネラリティがしっかりしている。この3種類で明らかに違うのはそこでしょうか。
ここで、一通り3種のテイスティングが終わったところで、抜栓したワインを自由に飲んでみます。
竹内:オーガニックはなんか、安心します。
鈴木:わかります、オーガニックはすごくフレンドリーなワインですよね。
熊坂:同じピノでもこれだけ個性が違うというのがすごい。シングルヴィンヤードはこの価格帯ですが、すごくいいワインですよね。
竹内:ピノ好きは、まずはシングルヴィンヤードかな。
ゆきお:あれ、もしかしたら、前言撤回で20バレルはめちゃくちゃピノっぽいかも。時間がたってどんどん開いてきて、かなり上質なピノの香りに変化してきていますよ。
鈴木: 20バレルは厚みと複雑さとかポテンシャルも含めて、時間ですごく変わるワインですね。
竹内:トリュフのような香りもします。
ゆきお:そう、なんか上品なんですよね。
竹内:抜栓して変化を楽しめるワイン。1本のワインなのに複数本飲んでいる気分にさせてくれますね。
熊坂:これはデキャンタ―ジュするべきワインですね。
ゆきお:そうですね。ポテンシャルをすぐ発揮させるならデキャンタージュした方がいいですね。
フードはそれぞれ、ペアリングの広がりを楽しむ
今回もワインは共通としましたが、フードは各自ご用意いただきました。ペアリングは、それぞれの個性が出て、新しい発見もあるのでこれまた面白い時間です。
熊坂:みなさん、フードは何を?私は苺!
鈴木:私、コンビーフです。20バレルは牛肉とか合わせられるかな〜と。今回も「コンビニで買えるものをそのまま」というコンセプトです。
ゆきお:うちの奥さんがプレートを準備してくれました。ローストビーフ、めちゃくちゃ合います。パンも自家製なんです。
全員:すごーい。
竹内:お家でビストロできちゃうじゃないですか!
熊坂:鈴木さん、コンビーフどうですか?
鈴木:合いますよ。コンビーフも2種類用意したのですが、ちょっとオイリーな感じのコンビーフの方が20バレルに合います。さっぱり目のコンビーフはシングルヴィンヤードですね。
竹内:私はスイーツ系で用意しました。ちなみにシングルヴィンヤードとチョコレートは相性抜群なんですよ。
鈴木:チョコレートとってきます。
熊坂:私はオレンジの入ったチョコレートですが、合いますね。特にシングルヴィンヤード。
竹内:濃厚なチーズをたっぷり使ったスイーツは20バレルに合いますよ。
鈴木:ぶっ込みますが、チョコレート合いますね。
熊坂:シングルヴィンヤードとチョコレート最強説!
ゆきお:ローストビーフはめちゃめちゃ20バレルに合います!
熊坂:同じピノでも食べ物と合わせるとその違いが明らかになるのがオモシロイですね。
竹内:気楽に付き合うのはオーガニック、おこげせんべいやこしあんのお饅頭もいいです。
熊坂:かりんとうはどうかな。
鈴木:かりんとう面白いですね。
竹内:ペアリングするときは、食材の重さが一緒だと合いやすいですね。20バレルはやっぱり、お肉食べたくなる感じはありますね。
ゆきお:そうそう、シンプルな赤身のステーキもいいと思います。
熊坂:私たちの中で、20バレルが高級ワインみたいに話していますが、そう言ってもこの値段なんですよね。
ゆきお:この香りはこの価格のワインじゃないですね~。
竹内:そろそろクール・レッドに行きませんか?
と、大盛り上がりのところで、冷やしていた「ピノ・ノワール ビシクレタ クール・レッド」へ。
ピノ・ノワール ビシクレタ クール・レッド2018
竹内:(注ぐやいなや)この色が好きなんですよ。
熊坂:私も好き〜。
竹内:これはこれで付き合いやすいワインですよね。
ゆきお:今までこうしたワインなかったですよね?
竹内:リフレッシュできるワインですよね。お風呂上りに出てきたら嬉しいな。クールダウンさせてくれて、ワインが重たく感じない。
ゆきお:氷入れて飲んでもよさそう。
熊坂:苺と抜群に合います!これは別ものですね。こういうワインって、これまでなかったと思うんですよ。
ゆきお:ボトルデザインもいい感じですよね。瓶に印字されていて、これ自体がクールですよね。
竹内:アウトドアにも合いますよ。
鈴木:どんなに冷やしても果実味を感じるというのがすごい。
竹内:酸が立ちすぎないので、単体でもいいし、もちろん食事と合わせてもいい。
熊坂:野菜とかもいいよね。
竹内:トマト、合いそうですね。
熊坂:冷製パスタとか!
竹内:フルーツトマトと塩とオリーブオイルをミキシングしたソースをカッペリーニ絡めた冷製パスタなんかに抜群に合うと思います。これからの季節、庭先でガーデンランチなんかもう最高!
ゆきお:若い世代の方にこういうスタイルでワインを飲んでもらうのはありですよね。ワイングラスでなくてもよい気軽さ、というか。
竹内:カフェで飲むタイプのワインですよね。苺のタルトとかつまみながらクール・レッドを飲んでいる女子ってかわいい感じ。
ゆきお:確かに。飲食店さんにとっても扱やすいんじゃないかな。ワインセラーとか持っていないところは冷蔵庫に入れておけばいいわけだし。
竹内:赤の概念が変わりました。
鈴木:ウチのショップでまだ扱っていないんですが、扱いたいな。ビシクレタシリーズはビギナーのみなさん向けかなって思うので、見てくれも大事。そういう点でもとっつきやすいと思います。それがクール・レッドの良さかと。小売店の目線から言っちゃいましたけど。すそ野を広める上で、クール・レッドは一番有力ですね。今日はほんと、勉強になりました。
ゆきお:みんなでテイスティング・コメントするというのは今回やってみてとってもよかったです。コノスルは、それぞれのワインに独立した個性を持っているのですごいな。
竹内:コノスルのピノ・ノワールだけでワイン会、できちゃいましたね。
熊坂:ワイン会ってリアルでやると主催者が結構大変ですが、オンラインなら簡単にできちゃうのがいいですよね。
継続的に楽しむためのオンライン飲み会のコツ
話がどんどん広がり、気づけば2時間半。そこで、最後みなさんにちょっと聞いてみました。「もし、またオンライン飲み会をするとしたら何をしたい?」
竹内:今日はピノ・ノワールの比較ですごく勉強になったので、次はガチでシャルドネを掘りたいです。
鈴木:シャルドネの比較はやりたいですね。
熊坂:赤のピノ・ノワールの次は白のシャルドネ。ぜひやりたいですね。シャルドネは樽のあるなしの比較もありますし、何しろひとつの品種でここまで奥深いラインナップを持っているワインメーカーはコノスルぐらいですから。
ということで「シャルドネ飲み比べ」が次回テーマとして浮上したところでお開きに。
今回のまとめとして、継続してオンライン飲み会を楽しむには、次のポイントがあると思います。
◎目的やテーマをもって企画すること
◎学びの要素を入れる
◎共通アイテムとフリーアイテムのバランス
ワインの場合、これらの要素を盛り込みやすい点もオンライン向きかも。コノスルでオンライン・ワイン会、ぜひみなさんも開催してみてください。
この記事で紹介したワインはこちら
オーガニック ピノ・ノワール
BCSエコ認定の有機栽培葡萄を使用。オーク樽で6ヶ月、ステンレスタンクで2ヶ月熟成。イチゴやチェリージャムの果実香、なめし皮、微かに腐葉土やキノコなどの香り。新鮮で澄んだプラムを思わせる果実味があり、きれいな酸味と程よいタンニンが感じられる。
シングルヴィンヤード ピノ・ノワール
カンポ・リンド葡萄園の第21区画「ヴィエント・マル Viento Mar(=海風)」の葡萄を使用。色合いは明るめで、鮮やかな赤い果実の香り。チェリー、ブラックチェリーなどのジューシーな果実香。程よい酸味が楽しめるエレガントなスタイル。
20バレル・リミテッド・エディション ピノ・ノワール
チリNo.1ピノ・ノワールを目指し、ブルゴーニュの銘醸「ドメーヌ・ジャック・プリュール」のマルタン・プリュール氏の協力を得て造られたプレミアムワイン「オシオ」ピノ・ノワールのセカンドワイン的存在のワイン。エレガントな口当たりで、豊富なタンニンとこなれた酸味が絶妙なバランスを保つ。果実の凝縮感が印象的。
ピノ・ノワール ビシクレタ クール・レッド
コノスルの“冷やして美味しい”赤ワイン。チェリー、ブラックベリー、プラムのフレッシュな果実香が心地よく、心と体をクールダウンしてくれるワイン。温度は12〜14℃がおすすめ。冷却に必要な時間(目安)は冷蔵庫で2時間、冷凍庫で15分、氷水で5分。
この記事を書いた人
くまさか ひとみ
熊坂 仁美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- (一社)日本ソムリエ協会 SAKE DIPLOMA
- WSET SAKE LEVEL3
- WSET Level3
SNSを中心にデジタルマーケターとして10年、企業アドバイス、書籍、記事の執筆、講演等を行ってきた。数年前から趣味でワインを飲むうちにはまっていき、本格的に勉強を開始して資格を取得。次の10年は、ワインや日本酒の文化とテロワールをテーマに研究と発信を行っていく。ワインの魅力で人を動かす「ワインツーリズム」にも大きな関心を寄せている。