2020.11.02
- 楽しみ方
【コノスル家飲みスタイル Vol7】 秋の夜長はスイーツペアリングでまったり&贅沢な「おうち時間」を<前編>
秋も深まり、窓越しの木々が色づく風景はどこか儚くロマンチックですね。そんな季節にピッタリなペアリングはスイーツ!ワイン×スイーツは、最近注目されているペアリングの一つでもあります。スイーツのキラキラと輝く美しさとかわいらしさに食べる前からときめいてしまうのは私だけではないはず。ということで、今回は2回にわけて甘美なスイーツペアリングの世界を探っていきたいと思います。
1. お店では案外難しいスイーツペアリング
さて、あなたはどんなスイーツがお好きですか?定番のショートケーキやミルフィーユ、濃厚系ならベイクドチーズケーキやザッハトルテ、はたまた秋ならではのモンブランやスイートポテト…etc. いつもは紅茶やコーヒーで楽しむスイーツですが、ワインとなると案外、お店では合わせられる機会は少ないのではないでしょうか。いわゆる喫茶系のカフェでは、メニューにワインがないことが多く、たとえあったとしても限られた種類の中でスイーツにぴったり合わせるというのは難しいかもしれません。
でも、おうちならワインもスイーツもセレクト次第で気軽にスイーツペアリングを楽しむことができます。
ただし、スイーツといってもその種類は数知れず。そして味わいも様々。簡単なようで案外難しい世界なのかもしれません。
2. スイーツに合うワインとは?
スイーツに限らず、ペアリングの原則として「同質のものを合わせる」ということがあります。味わいを合わせる、重さを合わせる、色を合わせるなどです。
その観点で言えば、スイーツに合わせるワインといえば、まずは甘口のワインがいいでしょう。コノスルなら、天然の糖分が凝縮された貴腐葡萄と遅摘みのリースリングから造られた甘口ワイン、「コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング」がまさにそれ。
「コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング」は貴腐葡萄の生産に適した世界最南端の栽培地のひとつ、ビオビオ・ヴァレーの葡萄を使用したデザートワインで、ブルーチーズやフルーツ等と、とても合います。なお、食後酒は消化を助けたり、満腹感が和らげる効果があるといわれています。食事の後の余韻を楽しむにもピッタリですよね。
美しい琥珀色の外観に、ミネラル感たっぷりでジューシーな甘みとリースリングの爽やかな酸のバランスが取れたエレガントな味わいが特徴。アルコール度数も12.0%とそれほど高くなく、アフターディナーはもちろんのこと、昼間のカフェタイムにもおすすめです。
3. 秋に食べたいマロン、キャラメル、チョコ系なら
秋に食べたいスイーツといえばなんといってもマロン系。モンブランやマロングラッセ、栗のこっくりした味わいが秋らしく、個人的には一番に試したいと思いました。このほか、キャラメルやナッツ、チョコを使ったスイーツでペアリングをしてみたいと思います。
今回は「コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング」以外にも「レゼルバ・エスペシャル “ヴァレー・コレクション” メルロー」と「オーガニック マルベック」もセレクトしてみました。
実はスイーツペアリングはバレンタインのチョコレートの記事で検証済みです。
>バレンタインに楽しむコノスルワイン×チョコレートのペアリング
その時の結果から「シングルヴィンヤード ピノ・ノワール」がもう絶妙にマッチすることが分かっていたので、あえてピノ・ノワール以外でのペアリングとしました。
「レゼルバ・エスペシャル “ヴァレー・コレクション” メルロー」ですが、プラム、ブラックベリー、チェリー、カシスなどの黒果実の香りの他に、ほのかなピーマン、モカ、チョコレートも感じられます。メルローらしく熟成した果実味が柔らかでまろやかなタンニンが心地よいワインです。やはりここは間違いないのがチョコレート系のスイーツでした。特に、レーズンなどの黒系果実をじっくりお酒に漬け込んだような味わいをもつスイーツに合いました。
今回用意したチョコレートタルトにはラムレーズンが入っており、メルローとの親和性は抜群。「レゼルバ・エスペシャル “ヴァレー・コレクション” メルロー」はメルロー主体ですが、マルベックやカベルネ・ソーヴィニョンもブレンドされており、また70%が樽熟成ということもありメルローのやわらかさの奥にちょっぴりスパイシーなニュアンスを感じます。こうした味わいがチョコレートやラムレーズンと重なり、なんとも大人の雰囲気でした。重厚さが美味しいペアリングです。
同じく濃いめの味わいのキャラメルムースを合わせたところ、先ほどのチョコレートタルトよりもタンニンを感じました。甘いキャラメルですが、さっぱり味わいたいときは、レゼルバ・エスペシャル “ヴァレー・コレクション” メルロー」も良いかもしれません。
相性がいまひとつだったスイーツとしては、酸味のある赤系果実のソースが絡んだチョコレートケーキには、ワインの酸を強く感じてしまい、調和が取れませんでした。
次にオーガニック マルベックですが、こちらは、エコサート認定の有機栽培葡萄を100%使用。ブラックベリー、プラムの果実の香りに、スミレの花や、黒コショウのスパイシーなニュアンスがあります。ジューシーな果実味に、豊かな酸としっかりとした渋味が感じられるワインです。こちらもこってりしたチョコ系スイーツに合いますが、「レゼルバ・エスペシャル “ヴァレー・コレクション” メルロー」では合わなかった酸味のあるベリー系のソースを使ったチョコレートケーキとも好相性でした。逆にキャラメル系とはあまり合わず、同じ赤でもやはりワインのスタイルやテクスチャーによって、相性がはっきりするものだなと実感しました。
4. スイーツ全般に合う「コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング」
そして、「コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング」ですが、結論から言えば、これはスイーツ全般に合いました。マロンケーキはもちろんのこと、キャラメル、チーズケーキもなかなかのペアリングでした。またベリー系のソースを使ったチョコレートケーキとベストマッチで、甘やかなレイト・リースリングがすっと溶け込み、後味に溌剌とした酸を感じ、お互いが引き立て合うという素晴らしさ。これはベリー系ソースがポイントで、ソースの酸とチョコレートのコクがレイト・リースリングの持つ甘みと酸味との二つの要素が合致した結果だと思います。残念ながら、酸味がないチョコレートタルトにはレイト・リースリングはいま一つでした。
つまりレイト・リースリングは、コクと甘さ、そして酸などがあるちょっとハイグレードなスイーツにかなり合うと思います。
いつものスイーツタイムもワインを合わせることで大人の贅沢時間に様変わり。ゆったりと好きな音楽をかけながら、ワインとスイーツでまったりとした「贅沢おうち時間」を楽しんでみてくださいね。
まだまだ続くスイーツペアリング。後編は、みんが大好きなあのスイーツに合うペアリングを徹底検証します!
この記事で紹介したワインはこちら
コセチャ・ノーブレ レイト・リースリング
チリ南部、冷涼なビオビオ・ヴァレー産葡萄を使用。天然の糖分が凝縮された遅摘み葡萄と貴腐葡萄から造られる。ミネラル感たっぷりでジューシーな甘みとリースリングの爽やかな酸のバランスが取れたエレガントな味わい。残糖度78g/L。
レゼルバ・エスペシャル “ヴァレー・コレクション” メルロー
熟成は11ヶ月。70%樽、30%ステンレスタンク。プラム、ブラックベリー、チェリー、カシスなどの黒果実の香りの他にほのかなピーマン、モカ、チョコレートも感じる。複雑性と凝縮感を感じさせ、熟成した果実味が柔らかで丸みを帯びたタンニンと調和している。
オーガニック マルベック
エコサート認定の有機栽培葡萄を100%使用。ブラックベリー、プラムの果実の香りに、スミレの花や、黒コショウのスパイシーなニュアンス。ジューシーな果実味に、豊かな酸としっかりとした渋味が感じられるオーガニックワイン。
この記事を書いた人
たけうち あけみ
竹内 綾恵美
- (一社)日本ソムリエ協会認定 ワインエキスパート
- SAKURAアワード2024 審査員
料理が大好きで、国内外問わず、旅先では必ず市場を訪れる。ワインに出会い、味わいはもちろんのことワイン文化の奥深さに魅了される。
2019年にワインエキスパート取得し、ワインと食の追求に邁進する日々。